内容説明
シーズンオフの別荘地に拳銃を片手に迷い込んだ娘と、別荘地の保安管理人として働きながら己の生き方を頑に貫く男の交流を綴った表題作をはじめ、飯倉の裏通りにあるバーを根城にする一匹狼のもめごと処理屋を描いた『ジョーカーの選択』、未来の巨大ホテルを舞台に、最悪の麻薬・ローズショットの中毒者で、常に死を見つめながらホテル探偵を続ける男を描く幻のSF連作短編『ローズ』ほか、大沢ハードボイルドの人気シリーズの役者がすれ違う、ファン必読の『再会の街角』を含む9編を収録した出色の短編小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
64
久々に大沢さん。この本には懐かしい、ロマンチストな探偵や元刑事達が・・そうそうアルバイト探偵も。ハードボイルド小説と言うけれど本当に強い男は女だけでなく弱い者を労わって・・哀愁を漂わせる♥。近頃の人は愛してたと言っては虐待や死に至るまでの暴力を振るう。本当に強い人は痛みを知っている。「ちょっとお前さん、修業に行って来な」きっと弱い者イジメしかできない奴だものムリムリ(^^;。あ~哀愁の漂う男ってひとめ見てみたい・・と大沢作品にのめり込んだ昔の私・・。積読本に「やぶへび」が待っているのを忘れていた2017/03/07
nonたん
21
こういう遊びが好きだわぁ。再会の街角。いいなぁ…あの小僧が戻ってこないかなぁと感慨に耽る。収録された九編の短編はどれも小粋な感じ。ちょっと気に入ったのは、湯の町オプ。以前に読んでいた大人向け漫画誌に温泉街の旅館にいる男の話が思い出された。雪深い温泉地のハードボイルドってのもイイなぁ。2012/09/18
Nobu A
12
短編集とは知らず手に取った図書館本。しかも、途中なかなか頁が進まず。巻末の解説によると、目玉は「ローズ」3編だとか。だったら、何故タイトルをそうしないのかと突っ込みたくなる。SFとハードボイルドの融合は正直よくわからなかった。唯一手が止まることなく頁を捲って行ったのはが「ナイト・オン・ファイア」。掲載中1番長い編で恋人のジャーナリストが独裁者がいる架空の国に息子と一緒に行き、2人とも殺され、復讐をする物語。「明日香」「魔女」シリーズを彷彿させる女性主人公。出来過ぎエンタメだが、纏まりがあって面白かった。2019/03/05
タカシ
10
大沢作品のスピンオフ短編集。ローズは流し読みでした。『ジョーカーの選択』と『ナイトオンフォイア』が印象的でした。2018/08/29
鮎川まどか@AnxAn
7
大沢ファンのための本。 三連作のSFシリーズ「ローズ」や、写真集出典の「ナイトオンファイア」などの変化球も目をひくが、「再会の街角」内における大沢人気キャラ三人の揃い踏みも楽しい。 全編にわたり、傍観者の魅力を存分に味わえた。 ファン必携。2012/02/27