出版社内容情報
幕末。白虎隊でひとり生き残った少年はアメリカへの移民に参加する。そこで政府に追われるネイティブアメリカンの少女を助け、南北戦争の英雄カスターと対峙することになる。史実にもある会津移民「若松コロニー」をモチーフに描く大活劇!
内容説明
幕末。会津白虎隊でただひとり生き残った少年・三村虎太郎は維新後、新政府のもとで生きることを拒み、新天地アメリカへの移民へ参加した。異国での過酷な暮らしが続く中、ある日、虎太郎は行き倒れているシャイアン族の少女を助ける。一族を虐殺されひとり生き残った少女はカスター将軍の“ある秘密”を握っているため追われているという。似た運命を背負ったふたりは、時に反発し、時に支えあいながら、暴虐非道の第7騎兵隊へと立ち向かうこととなるが―。歴史の敗者に光を当て続けてきた著者が、米史の闇・インディアン戦争に挑む!
著者等紹介
吉川永青[ヨシカワナガハル]
1968年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。2010年『戯史三國志 我が糸は誰を操る』(講談社)で第5回小説現代長編新人賞奨励賞受賞。2016年『闘鬼斎藤一』(NHK出版)で第4回野村胡堂文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えみ
62
白虎隊の生き残り。生き残ってしまった責任を罪と感じ背負いながら生きる虎太郎。死ぬよりつらいだろう、仲間に護られて生き残った死が…その罪が虎太郎をアメリカの地へ渡らせた。護りたかったものは護れず、死することは禁じられ、会津に置いてきた魂の行方に虎太郎本人でさえ戸惑うばかり。だからこそアメリカ人に追われるインディアンの娘・ルルを助けた彼が彼女のため、先住民のためにと闘いに身を投じる気持ちが分かる。何か自分の中でケジメをつけなければならない焦り。青い正義。ルルと旅する中で成長していく彼の心の変化に釘付けされた。2024/04/05
ポチ
47
白虎隊の生き残りがアメリカで騎兵隊とインディアンの戦いや実在の人物を絡めた冒険物語!騎兵隊の理不尽さに怒りを覚えながらも面白しく読了。2024/04/01
アイシャ
37
新たな世界が広がった。『ダンス・ウィズ・ウルブズ』を見た時以来となる、アメリカ先住民族の歴史を考える機会だった。会津の白虎隊の生き残りである虎太郎は、移民となってアメリカへ渡る。そこで出会ったシャイアン族の娘ルル(彼らの言葉で兎という意味)を彼女の仲間達のところに連れていくことになる。先住民族たちへの白人たちによる迫害の歴史と共に物語は進む。会津の人々が受けた苦しみを、その迫害に重ね合わせ、アメリカの軍人たちと闘うことになる虎太郎。実在の人物も登場しながら、わくわくとした展開だった。2024/04/23
信兵衛
30
過去の時代の話ですが、何やらSF冒険ファンタジー、という雰囲気がありますね。 虎太郎とルル、良いコンビです。上記要素に加え、ロード・ノベルといった楽しさもあります。2024/03/31
サケ太
22
日本から遠く離れた北米大陸へ足を踏み入れた元白虎隊隊士。インディアンの少女との冒険はワクワクした。ピンカートン探偵社や若松コロニーのような史実と絡め、生き抜く二人に力をもらえる。2024/03/30