出版社内容情報
大沢 在昌[オオサワ アリマサ]
著・文・その他
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
81
【佐久間公】シリーズ第1弾。〔再読〕失踪人調査探偵である佐久間公の、7つの短編集。タイトルと同じ短編「感傷の街角」は、作者デビュー作品で好きな一作。ハードボイルドよりは、ハーフやハートと呼ぶのが良い位の余韻を感じる物語。失踪人調査の謎を追うという設定よりは、調査に関わり人間的なセンチメンタルが其所に介在する。よって青臭い物語と感じる方も多いかも知れないが、自分の人生と重なってしみじみとした読み心地である。作者と謎解き勝負が続くと、こうした雰囲気に浸る事が必要となる。何故か今回は、中村倫也氏でイメージした。2020/08/27
タックン
79
最近、(雪蛍)を再読したので佐久間公シリーズを読み直したくて再読。短編集で表題作はデビュー作。これを読むと作家自身だけでなく公の原点もわかり面白い。そして沢辺やその妹を始めいろんな人との出会いがあって上手く描かれている。ただなあ、この作家さんは自分の生い立ちがそうかもしれないけど、どうも上流階級の世界から少し逸脱した人間をターゲットし過ぎだなあ。ヒロインはみんな美人ばっか(笑)六本木・新宿・横浜ばっか(笑)・・・・それが大沢節だけど。2015/04/06
み
27
う〜ん、ハードボイルドって何?公さん、あたしが思うハードボイルドな登場人物よかソフトなのよね(^^;シリーズ読んだら理解できるかなぁ。2015/10/02
きょちょ
23
デビュー作含む著者の若い頃の短篇7作。 佐久間公シリーズだ。 このシリーズは知らないまま最終作を最初読んだ。 最終作や、新宿鮫シリーズに比べると、物語の内容・展開・表現などの拙い部分・青臭い部分を感じることもあるが、大沢在昌らしい「良さ」はしっかり出ている。 特に、敵・相手方など、主人公以外の「際立った存在感」。 「感傷の街角」(小説推理新人賞受賞作)の斎藤、「フィナーレの破片」の川村がそれ。 作品としてもこの2つが面白い。 ★★★★ 2016/11/24
rokubrain
15
大沢在昌のデビュー作。78年、22歳の時。 失踪人調査をする佐久間公を主人公に7つの短編が紡がれている。 以前読んだ「荒木飛呂彦の漫画術」の中で説明されていた 「ストーリーはエピソードでテーマが受け継がれてていく」という基本ルール通りの構成。 カッコのつけ方が、時代が古く、今から見るとちょっと青いなと思うところが散見された。 ディスコを象徴的にアルコールと音楽が若者を躍らす触媒となる、ってのは今の若者像とは違うし。 一方で主人公の年を経ても変わらない生き方スタイルを見つけたりすると、心が揺さぶられる。2019/03/29