内容説明
麗らかな春の陽射しに包まれた金剛山で、ひとり山篭りを続ける宇宙皇子。“静なる力を具現したい。流民王国再建のために…”。天上界という至極の世界と現世の狭間に生きる皇子の新たなる試練の始まりであった。そのころ、都では帝の力によって権力を貪る恵美押勝と、上皇に取り入った弓削道鏡が激しい権力抗争を繰り広げていた。歪みきった政の内部からふつふつと沸き上がる憎い思惑の数々…。皇子はこの思惑の一端を知り立ち上がる。そして追い込まれた押勝は、ついに兵を挙げたのだ―。時は星暦七六四年。時代は混乱の過渡期へと向かっていった。超人気書下し異次元童話、いよいよ佳境へ。