内容説明
幾つもの夏が通りすぎてゆく。そして、幾つもの夏が何かを落としてゆく。夏の叢雲。夏の風。夏の陽射し。夏の渚。夏の雨。夏の星。夏の木影。そこには恋があり、孤独があり、友情があり、そのすべてが物語を映している。そう、夏は出逢いにときめきを与え、別れに鮮やかな彩りを添えてくれる。夏は不思議な、魔法の季節なのかも知れない―。夏に魅せられ、人生の断片を通底して見つめつづける著者が綴る、もの悲しく小粋な短編集。20の小さな物語に縫いとじられた、遠い夏の残照を、あなたに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
91
タイトル通り、そのままズバリ'夏'をテーマに綴られた20のショートショートです。とにかく1つ1つの話が短いので、テンポよくどんどん読めてしまいます。基本、男女の話か家族の話なので、ワンパターン感は否めませんが、これはこれで作者さんのブレないスタイルとしてありかなと感じました。男女の話よりもやっぱり親子愛の話が印象的でしたね。平成元年の作品なので、かなり年代を感じさせてくれますが、あらゆる年代に手にとってほしいステキな作家さんだと思います。改めて喜多嶋先生の作品はやっぱり'夏'がとってもよく似合ってますね。2024/05/28
ゆからん
2
サラッと軽く、読後感が爽やかな本が読みたくて再読。短編集なのは分かってるけど、どこかで繋がってて欲しいような気持の中で読み進めたので、ワーゲンのお話が一番好きだった。2016/09/26
読み人知らず
1
ショートストーリーズ。短いものは2ページほど。一気に読むよりちょこちょこ読んだほうがよかったのかもしれないけど一気読み。ワーゲンの話が好きだな。新車からくたびれるまで、何人ものオーナーに乗り継がれる。中古車は物語があるから好きだな。2013/02/28
happy3939
0
20の短編小説。多くはハワイが舞台。いつもの世界観が大好き!いつものように一気に読めた。2024/01/19