内容説明
薩摩・指宿の海運商“山木”を十九歳で継いだ八代目浜崎太平次。かつて三井・鴻池と肩を並べ、長者番付で西の大関に輝いた家業は傾いていたが、積極的な海外交易で再建を果たし、瞬く間に全盛期を築く。藩政改革を進める調所笑左衛門とも結び、琉球・蝦夷地との交易をはじめ「抜け荷」で得た富は、藩財政を支え、一躍、幕末の薩摩を雄藩へと押し上げる。鎖国下に、開国を先駆けた幻の豪商の波瀾に満ちた生涯を描く、時代長篇。
著者等紹介
南原幹雄[ナンバラミキオ]
1938年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。73年、『女絵地獄』で第21回小説現代新人賞、81年『闇と影の百年戦争』で第2回吉川英治文学新人賞、97年、『銭五の海』で第17回日本文芸大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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自然堂
5
小松帯刀の伝記に浜崎太平次が出てきて気になっていたので読んだ。面白い部分もあったが、史料が少ないのか、主人公が商人だからなのか、話が大きく動かず、中途半端なフィクションでお茶を濁しているページが多かった。終盤、西郷が出てきてから主人公がほぼ脇にうっちゃられて政変を中心に話が進んでいくが、そこら辺が一番面白いというw 他人が扱っていない題材に敢えて挑むフロンティア精神は買うが、小説家としての力量が足りていない感じ。フィクション部分にもっと力があればグッと面白くなったであろうと考えると惜しい作品です。2010/10/11
山内正
3
山木の商いを立て直す為太兵衛は 琉球の商いに奔走していた中 調所笑左衛門に呼び出しがかる 前の藩主の残した借財と新たな収入を得るため抜け荷を奨励する 太兵衛は蝦夷地へ商いを得るため北陸を経て利益の出る産物を探す やがて銭屋五平と出会い航益を増やす もう山木の商いを取り戻した しかし島津斉彬の裏切りで調所は失脚し太兵衛は証拠の品を隠し新たな商いをせざるを得ない事になる 商人の岐路に立つ。
nyaboko
2
浜崎太平次のキャラクター描写が丁寧ですらすらと読めました。ただ、いろんな人との出会いや事件陰謀などがあまり深く掘り下げられてなかったので、そこが残念。でも浜崎太平次がどんな人物かを知るに最適の本だと思います。2012/01/24
くわぼー
0
◯ なかなかおもしろかった。2017/10/03
キット
0
95点2015/01/10
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