内容説明
幕末風雲の京都に、荒くれた浪士たちが全国から次々と集まってきた。男たちは新選組と名のり、尊攘、討幕派弾圧の旗頭として脚光を浴びるようになる。そして、その活躍の陰に見え隠れする女たちの姿。男たちの熱き野望に、勝るとも劣らない激しさで、恋に、愛に一瞬を燃やした情婦たちはどこまでも美しい。芹沢鴨、山南敬助、沖田総司らと運命をともにし、時には女間者に、時には女郎となって生き、やがて散ってゆく女たちの姿を描いた連作時代短編六話。
目次
血汐音―芹沢鴨の女
女間者おつな―山南敬助の女
血染め友禅―藤堂平助の女
壬生心中―松原忠司の女
おいてけぼり、お京―原田左之助の女
総司が惚れた女―沖田総司の女