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俺は東北のあるブロック紙の警察回り記者だ。３０を過ぎたいまも、気ままな独身暮しだ。所詮、落ちこぼれの“はみだし”記者だが、事件となると、俄然俺の血が騒ぐ。今度の事件は１人の若い女性が自殺したところから始まった。彼女の名前は由起。昔は派手な男関係があったのに、１年前に突然身持ちのよい女に変身し、そして自殺した。その上、この自殺は、３人の男が殺されかかった５カ月前の農薬毒殺事件とも関連があるらしい。人一倍好奇心の強い俺は、早速、関係者のマークを始めたが……。四季の移り変り激しい東北のある県庁所在地を舞台に、硬骨漢で人情に篤い独身新聞記者の活躍を描く連作長編。日本推理作家協会賞受賞作。
