内容説明
若き日、嫂と犯した密通の古傷が、名を成した今も、自分を苦しめる。驕慢な心はついに妻を験そうとするが…。表題作「密通」のほか、人生に絶望し、死のうと決めた夫婦と娘が出会い、希望を取り戻す「心中未遂」、婚礼を前に、揺れる女の想いを描いた「夕映え」、夫のためと騙され、他の男に身を任せたことが破滅につながる「菊散る」など、江戸人情を細やかに綴る全八編を収録。余韻溢れる珠玉短編集。文字が大きく読みやすい新装版。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
1932年、東京生まれ。日本女子大国文科卒。小説家を志し、戸川幸夫、長谷川伸に師事。59年、「鏨師」で第41回直木賞受賞。91年『花影の花』で第25回吉川英治文学賞を受賞し、98年、第46回菊池寛賞を受賞。時代小説から現代小説まで幅広く手がけ、テレビドラマや芝居の脚本などでも活躍。2008年、『西遊記』で第49回毎日芸術賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。