内容説明
終戦直後、ソ連兵に強姦された大勢の日本女性が妊娠して大陸から引揚げてきた。不幸な彼女たちを救うには中絶以外に道はない。だがその頃、堕胎は違法行為だった。ここに、純粋に人道的な目的で、福岡県の小さな町に堕胎専門の病院が設立され、約400名の女性が不本意な出産を免れた。ところが30数年後、消滅したはずの当初のカルテによる脅迫事件が頻発、やがてそれは殺人事件に発展していった…。第99回直木賞受賞作家が放つ長編ノンフィクション推理。
終戦直後、ソ連兵に強姦された大勢の日本女性が妊娠して大陸から引揚げてきた。不幸な彼女たちを救うには中絶以外に道はない。だがその頃、堕胎は違法行為だった。ここに、純粋に人道的な目的で、福岡県の小さな町に堕胎専門の病院が設立され、約400名の女性が不本意な出産を免れた。ところが30数年後、消滅したはずの当初のカルテによる脅迫事件が頻発、やがてそれは殺人事件に発展していった…。第99回直木賞受賞作家が放つ長編ノンフィクション推理。