角川文庫<br> 幕末刺客列伝

角川文庫
幕末刺客列伝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 285p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784041621073
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

刺客と呼ばれた10人の男たちは皆、声無く散っていった。闘うことだけを“生の証し”とし、対極にある“死”は安住の地に他ならなかった。近代国家への黎明期、“人斬り”という暗殺剣に生きた男たちの姿を鮮やかに甦らせた、衝撃の連作全10編。超時代小説『流され者』で鮮烈なデビューを遂げた、期待の大型新人作家が放つ入魂の連作時代小説。

目次

以蔵の指―岡田以蔵
新兵衛の肚―田中新兵衛
信吾の歯―那須信吾
半次郎の腕―中村半次郎
総司の眸―沖田総司
唯三郎のふぐり―佐々木唯三郎
次左衛門の掌―有村次左衛門
彦斎のつむじ―川上彦斎
歳三の瞼―土方歳三
博文の貌―伊藤博文

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

AICHAN

5
「人斬り」と呼ばれた幕末の人物…土佐の岡田以蔵、薩摩の中村半次郎・田中新兵衛、熊本の川上彦斉等を描いている。見当外れな捉え方もあったがこの著者の人物描写は優れている。狂信的な人斬りは以蔵、ヤクザの鉄砲玉のような人斬りは中村・田中、思想犯のテロ的な人斬りは川上だろう。みな危機意識が強かった西国諸藩の人間だ。危機意識が最も強かった長州からは人斬りが出ていない(伊藤博文は成り行きで1人を惨殺したが)。自らの手を汚すことを嫌ったためか。明治後、多くの政治家を出した長州という国柄と関係があるかも。2012/04/05

AICHAN

2
“人斬り”は現代でいえばヤクザの用心棒や鉄砲玉といったところだろう。人を殺すことに何の抵抗も感じなかったり、自己顕示欲が異様に強く“人斬り”で自分を表現するしかない一種の“異常”人だ。親分のためなら死んでもかまわないという普通ではないところもある。幕末の“人斬り”もそんなに変わりなかったと思う。人殺しに快感を覚える“異常”人もいただろうが、大部分は組織やリーダーに褒められたい一心で“人斬り”になった連中だったろう。幕末の“人斬り”にはどこか哀しさがある。そのへんがうまく描かれていた。

UMA

1
以蔵>半次郎>唯三郎≧総司>信吾=次左衛門=新兵衛>歳三>彦斎>博文 だいたいこんな感じで好き。エロスと流血描写とのバランスとか白の使い方とか予想外すぎる唯三郎のキャラクターとかひたすら汚くて可哀想な以蔵とか何だか描写が美々しくて物凄いことになってる歳三(彦斎の話の歳三がうわぁ……って感じで大好き)とか、好みに合う部分が多すぎて読むのが超楽しかった。主人公と次の話の主人公とが何かしら繋がってるという連作短編の構成もよかった(最後に以蔵のところに帰って来るのがまたいい)けど、次左衛門→彦斎の部分は強引すぎw2013/02/06

しろろぞ

0
幕末の人斬り達の話。全体的に暗いというか救われない話が多い中で佐々木唯三郎はこれで良いのかと突っ込みたくなった。ギャグ枠…?中村半次郎の話の沖田総司の壮絶で退廃的な雰囲気が凄く好み。沖田自身の話での純粋過ぎて危うい雰囲気も良いが、壊れる瞬間を見たくなる脆さで怖いくらいに好みだった。本人の話も好きだけど他の話での人物像が好きなことが多かったかも。土方歳三とか那須信吾とか特に。http://memoria1.blog.fc2.com/blog-entry-87.html2013/08/14

kino

0
連作短編風でさくさくと。河上彦斎と土方歳三が同じ芸妓に惚れて…の話が面白い。佐々木只三郎の人物像が予想外。沖田と中村半次郎、山南の話も設定が新鮮。2012/09/17

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