内容説明
戦場からオーストラリアに帰ったジョウを待っていたのは一枚の絵葉書だった。葉書の絵は幻の名画、『スカル・アンド・ボウンズ』。差出人は彼を兵士として育ててくれた恩人、スペード卿だった。同時にジョウは、卿がロンドンで殺人未遂を犯し、その後自殺をとげたことを知った。あのスペード卿がなぜ?卿が人を殺すことに失敗し、しかも自ら命を断つとは…この裏には何かがある―。ジョウはロンドンへ飛んだ。卿の死の真相を探り、この手で必ず復讐を果たしてやるのだ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつみかん
6
ジョウのキャラとラストにある一場面のことしか覚えていませんでした。数十年ぶりの再読です。矢作&司城コンビの冒険小説は時経ても僕には格好好く映るのでした、下巻へ!2025/01/03
なつみかん
3
なんだろう洒落ていて格好良くて最良の冒険小説
CAN
2
再読。面白過ぎる。『楽園のカンヴァス』を読んで、そういえば絵画を巡る冒険小説の傑作があったなあと。物持ちが良くて正解。実際にあった英国王室御用達の人間がソ連のスパイだったという実話に基づいている。彼をスパイに引き入れるのはユーリー。後のアンドロポフ。判んなかったら辞書でwikiでも調べろ馬鹿。作者達がル・カレ好きなんで、よく判るんだ。このスノビズム。ああ、前作『暗闇のノーサイド』はどこいったんだ?再刊されないかなあ?日本の冒険小説としては希有の作品。アメリカ探偵作家クラブ賞にも今更ながら出して欲し作品。2013/05/03