感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
17
東スポ記者を退職し、ジャパン・プロレスリング・ユニオンを設立した著者。馬場や猪木の証言も、著者本人にぶつけられたものも多く、生々しい。馬場のファイトマネーを師力道山がピンハネする。それゆえ、馬場も金にシビアに。猪木もまた同じ。師の建前と本音を当たり前のように受け継いだのだろう。プロレスは競技ではない、興行だということをまざまざと見せつける。2023/10/03
nobody
5
爆弾だった。萬有の眞相は唯だ一言にして悉す、曰く、「門茂男のザ・プロレス」。アントニオ猪木のバックは児玉誉士夫と笹川良一だった。力道山死後の日本プロレスリング協会会長は児玉。副会長は“東の東声会”の町井久之と“西の山口組”の田岡一雄の2人。彼らの守護神は「全国の暴力団関係から“おやじさん”と呼ばれて尊敬されている」大野伴睦自民党副総裁。ヤクザからの「積極果敢な“ある種”の働きかけ」を受けた大野は警察トップを「このわしの目ン玉が黒いうちは、警察当局にも法務当局にも勝手なことはさせん」と一喝して警察総がかりに2023/11/15
竹園和明
0
英雄・力道山が興した日本プロレスが、力道山の死後どのような経緯で崩壊して行ったのか。プロレス記者として日本プロレスの幹部やレスラーに寄り添ってきた筆者が、おそらく当時としてはかなり危険な領域にまで踏み込んで書いた、プロレス・ルポとも言うべき力作。何せ会社の暗部を書いているわけだから凄い。暴力団とのつながり、幹部の放漫経営、学生柔道チャンピオン坂口征二プロレス入りの生々しい裏話…など。胡散臭い会社No,1の日本プロレスの真実がわかる本。面白かった。