内容説明
皇統をめぐる争いに敗れ、呪詛のうちに流刑の地で没した崇徳上皇。特別養護老人ホームの理事長・栗石は、この貴人を信仰していた。その施設内で、老人の不可解な死が相次いだ。一方、天皇家にまつわる怨霊伝説を追う浅見光彦は、京都で見知らぬ女性から唐突にフィルムを手渡される。現像してみると、そこには驚くべき光景が―!安楽死、老人福祉問題をテーマに、人間の尊厳を真摯に問い直す、感動の長編推理。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身、現在は軽井沢に在住。1980年、『死者の木霊』を自費出版してデビュー。1982年には、浅見光彦が初めて登場する『後鳥羽伝説殺人事件』を上梓。以来、全国を旅して日本人の心の琴線に触れるミステリーを書き続けている
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感想・レビュー
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Taka
39
浅見光彦シリーズ、安定の面白さ。今回は京都が舞台。割と知ってる地名がたくさん出て来たので親近感。読了感はいつもの通りスッキリ。2019/10/08
べすたん
28
テンポよく読めるのであっという間に読了。読んでいて感じることは楽に読めるのでいいのだけど、その分なんとなく軽い感じがぬぐえない。施設でおきる殺人事件とそれの告発で物語は始まるのだが、多分施設で殺人事件なんて…人を殺すほど元気なら施設に入らなくてもね~~という、アンチなところを最初に持ってしまったので最後までその部分が引っかかってしまった。2015/02/10
roomy
21
気持ちのいい内容ではありませんが面白かったです。ここのところ読んでいる作品が弟・光彦と兄・陽一郎の絡みが多くて嬉しいです。光彦は警察ではないから最後に犯人を捕まえるわけではなく本人に最後を決めさせるのが嫌いではない展開です。光彦の興味は真犯人が誰か事件の真相をはっきりさせることだけなのですから。笑2016/01/31
ごへいもち
14
自作解説が読みたくて。今回はちょっとまじめ。私も脳死を死と認めるのには疑問が2014/12/20
しんた
5
ホームに勤めている知人いわく、ありえない話らしい。まあ、福祉施設と建設の癒着が確実にあるから、福祉イコールクリーンとは限らない気もする。個人的には冒頭の老人口喧嘩の内容はよく話題に上がるので、気をつけたい2013/01/05