内容説明
長野県飯田市のダム湖で、バラバラ死体が発見されるという現実の事件が起きた。その後に姿を消したある管理人夫婦が犯人とされたが、事件を新聞で読んで、不審を抱いた小さな広告会社の経営者がいた。彼は自分なりに真相を推理し、竹村という刑事を主人公にして、生まれて初めての小説を書き上げた。だが、本当の大事件はそれからあとに起きた。数年後、彼はこの小説を自費出版したのだ。忘れもしない一九八〇年のクリスマス、後にベストセラー作家となる内田康夫とその処女作「死者の木霊」が、ついに我々の前に降誕したのである。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身、現在は軽井沢に在住。1980年、『死者の木霊』を自費出版してデビュー。1982年には、浅見光彦が初めて登場する『後鳥羽伝説殺人事件』を上梓。以来、全国を旅して日本人の心の琴線に触れるミステリーを書き続けている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニゴディー
7
雰囲気も文章もとてもしっかりとした作品。 おそらく当時としても新しさがあるわけではないと思うけど、今読んでも(表現などはともかく内容としては)古臭さは感じない。 ある意味で王道的な安心感がある。 この作品が江戸川乱歩賞で落選して自費出版したことが作家人生の始まりらしいけど、さすがに文章なんかは相当修正されてるよね? 浅見光彦シリーズは何作か読んでるけどこの作品の方が力が入ってるというか重厚な気がするし。2020/12/03
りえ
5
普段、浅見光彦シリーズばかり読んでいる私にはこの作品はちょっと怖かった・・・。内田康夫氏はこの作品を自費出版したところから作家人生をスタートされたそう。・・・それを考えると、本当に内田康夫の原点と言える作品!2011/02/03
うさえ
4
信濃のコロンボが処女作だったのかぁ。よくできた謎解き。言葉遣いがきちんとしていて、大変読みやすい。2017/11/04
マロングラッセ
4
内田センセ・信濃のコロンボ共にデビュー作!普段の内田作品に比べ重みが有る正統派ミステリーです。 自作解説を読むと書き始めが37年も前、カップルの表記がアベックだったりしますが、内容に古くささは感じませんでした。2014/10/09
へロム
4
購入しようと思ったが、なかなか無くて図書館で借りて読みました。内田康夫氏のデビュー作ということで期待して読みましたが、期待通り楽しめました。以前この作家の本は大分読みましたが、読んでいない本を含めあらためて読んでいこうと思います。2012/02/23
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