内容説明
梅雨の訪れと共に駒津家に届けられる奇妙な葉書。裏には筆書きでただ一文字『願』と書かれていた。4通目の葉書が配達されたあと、56歳になる駒津は何者かに殺された。一方、大学時代の親友4人組の1人三輪も同じ葉書を送られた後、佐渡で死体となって発見された。佐渡の「願」という地名に由来する奇妙な連続殺人。「願の少女」の正体は?事件の根は30数年前に佐渡で起った出来事に!警視庁幹部を兄に持つ、魅惑のキャラクター、浅見光彦が大活躍する本格伝奇推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
45
帰宅途上の浅見光彦が遺体のそばに倒れていたということで、光彦が容疑者になったり、大物代議士から兄陽一郎を通して私立探偵として調査してほしいと依頼されたりの、いつもとは変わった趣向の展開。ということで、今回は事件をかぎまわる浅見光彦が地元警察で詰問され身元照会され、というお馴染みのシーンはない。最終的にはちょっと強引な印象も受けたが、イレギュラーな展開で読み進んだ。2025/10/06
セウテス
41
浅見光彦シリーズ。東京で起きた殺人事件に光彦はまきこまれてしまう。被害者には「願」とだけ書かれた葉書が届けられていました。光彦が辿って行くと「願」という地名が佐渡にあるとわかります。そして、佐渡でも殺人事件が起こります。やはり被害者は「願」の葉書を受け取っていました。この作品は佐渡のというより「賽の河原」の伝説の話です。シリーズでは、珍しく光彦が容疑者として警察に逮捕されたりします。特にラストの佐渡金山跡地の洞窟内での犯人との決戦は、正にクライマックスといえるスリリングなシーンになっており圧巻です。2014/08/09
あなご
30
浅見光彦シリーズです。「願」と書かれた不気味な葉書が届くところから物語が始まりました。新潟県の佐渡島・賽の河原に伝わる暗く悲しい歴史をテーマにした物語でした。今回の主な舞台はタイトルの通り佐渡でした。2014/03/31
備忘録
20
今回は第一発見者兼容疑者という形で事件と関わる 流れるような手際で事件の重要人物の願の少女とその根底にある事件を探り当てるのはさすが名探偵 真相は少し意外で、光彦が動機だけが思い浮かばないとなるのも致し方無い2025/09/01
葵
17
浅見光彦シリーズ5作目。今回のお話は佐渡ヶ島が登場。水子供養や賽の河原の伝承の話なども面白く読んだ。随分意味ありげにでてくるわりには事件の真相には関係ないけれど(笑)。真相への目くらましになりつつ風景が目に浮かぶような雰囲気を演出している。冒頭で光彦さんは襲われた上に殺人事件の容疑者にされちゃう。ドラマにはぴったり!何回か観た。高所恐怖症とかオバケが怖いとか、ヘタレ設定が増えていた。2023/04/13




