内容説明
小さな水産会社の社員友永が帰国した時、待っていたのは大学以来の親友兵藤が遭難したという知らせだった。兵藤は北海道漁連の研究所で働いていたが、ニュージーランド沖で消息を絶ったという。友永は、彼がそこで、未知のニシン漁場を発見したのではないかと推理する。兵藤をシンガポールで見たという情報を頼りに現地に飛んだ友永に、さまざまな手が伸びてくる。商社、各国機関、華僑の秘密結社、そして謎の美女林麗玉…。美しくも猥雑な東南アジアを舞台に欲望と謀略が渦巻き、息づまる追跡行が展開される。直木賞候補となって著者の文壇デビューを飾った、国際サスペンスの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
igaiga
14
かなり時代が昔で・・何といっても「ソビエト」なので・・しかし、それでも内容は普通に面白かった。時代が昔だろうと今だろうと、逃げる、追う、騙す、守る。そういうのは面白いなぁーと。2020/12/14
y_e_d
0
途中までは漁業に関する解説が多くてう~ん・・・という感じだったが、途中から俄然面白くなった。協力者の切れ者美女・林麗玉によって素人の友永がどんどん前進できるようになっていく様に引き込まれる。麗玉が陳吉祥の魔の手から逃れるために打っていく一手一手が痛快で、これだけでも読む価値がある。日本の弱腰外交や保身のための裏切りに対する皮肉も効いていて、どろどろした話なのにスカッとする一面もあって、よく練り上げられたストーリーと思う。麗玉の正体は予想できなかった。機会があれば別の作品も読んでみたい。2017/08/22
夢現
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宗田理らしさも垣間見える、直木賞候補にもなったデビュー作です。読んでみたかったよ。2015/07/24
夢現
0
前回読んでしばらく経ったので、また読んでみました。ストーリーは大まかには覚えていました。2022/06/19