内容説明
時は平安後期―貴族社会から武家社会へと移りゆくとき…。“今はむかし…”で始まる『今昔物語』、その中にも意外や意外ありました―愛の話―。「いやだわぁ」と言いながらも、愛に関しての好奇心は〈現在〉も〈昔〉もかわらないようで…。それでは、その不思議な世界へあなたも御一緒にどうぞ―。
目次
妻を贈った男
エロスに古文はよく似合う
蒸気機関車の恋
誘われた男
だれかがたれかを待っている
作家は結果OKが好き
君はマミムメモを見たか
羅生門ひとめぐり
兎のステーキ召しあがれ
眼の恋鼻の恋
首たちは戦う
皆殺しの門
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
50
今昔物語集の、本朝(日本)の部の中の男女の性にまつわる説話を中心に、著者お得意のユーモア、ウイットを交えたエッセイで紹介する本書。しかし『知っていますか』シリーズとは雰囲気が異なるが、今昔物語集への興味がわいてくる。芥川龍之介が今昔物語集を題材に作品をものしたということも(恥ずかしながら)初めて知った。まずは本朝の部から読んでみようかな、もちろん現代語訳で(笑)2024/11/24
takaC
43
僕の阿刀田高文庫コレクション棚の19番目に並んでいる一冊。なかなか含蓄フルで面白い。2014/11/25
KAZOO
27
阿刀田さんの今昔物語は読ませる感じで非常にうまいですね。あまり下品ではなく、そんなにいやらしくもなく、うまく換骨奪胎して別作品になっています。芥川よりもユーモアがあります。現代語訳は福永武彦さんのを読んでいますが別の観点から双璧の感じがします。2014/09/29
そうたそ
24
★★☆☆☆ 相変わらず博識ぶりがすさまじい阿刀田先生の古典解説本。といいながら、小難しい内容ではなく、むしろ今昔物語すっとばしてこれだけ読んでもいいのではないかと思うほど丁寧に語られている。「エロス」という文字に引く人いるだろうが、さほどその要素もなく、「今昔物語集」好きだけど原典読むほどまでは……と思う人は軽く手にとってみてもいいかもしれない。2018/03/26
takaC
8
今昔物語にフォーカスした阿刀田版古典モノ。1992/03/01