内容説明
人は人生において、3回真剣に待つことがあるという。いつ来るか。いつ来るか―。男を待っている女がいる。女を待っている男がいる。大人の男女の微妙な駈けひきと打算。そこに、男と女の妖しい関係が見えてくる。不気味な恐怖とユーモア。阿刀田高が描く、男と女のこわ~いお話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
10
男と女の関係を描いた短篇集です。やはり阿刀田さん得意の分野でかなり色っぽい場面や恐ろしい結末などが用意されています。主人公はいつもながらそこら辺にいるような人で、いかにも身のまわりにありそうな感じを与えてくれます。2014/05/24
takaC
10
待っている男/朱いドレス/紙の女/俺と同じ男/西瓜流し/鈍色の眼/鳥/藁の人形/ありふれた誘拐 (1990年12月読了)1990/12/22
MIKETOM
6
品質のアベレージは高い。各編それぞれ面白さがある。『西瓜流し』『朱いドレス』がよかったけど、一番印象に残ったのが『鈍色の眼』俗に【男は見たがり、女は見せたがり(見られたがり)】なんて言うけれど、これは一面の真実。昔ある本の中に、マンションのベランダで性交する。誰かに見られてるかもしれないと思うと女の興奮がより高まった的なことが書いてあった。この本を読んだある女が自分も同じ願望があると言ったのには驚いた。普段の態度からして考えられなかった。尤も別な女は全くないと言ってたからケースバイケースなんだろうけど。2019/12/20
キー
5
阿刀田高氏の短編集。単行本は1984年に刊行。 阿刀田作品らしいブラックユーモアは、それほど強烈ではありません。初出誌、初出時期は不明ですが、エロティックなシーンを描いた作品が多く、幻想味がある作品も目立ちます。 阿刀田高作品集・エロスと幻想篇、という感じです。 その分、オチの切れ味は鈍い印象です。2025/03/19
もりの
5
はじめて読んだ阿刀田高!オチがあって、面白かった。これはハマってしまいそう…2018/11/20