内容説明
「先生に、あげとけばよかったわ…」と穏かでない言葉がとび出した。看護婦の津見子が入院患者になってすでに3月が経つが、どうも様子が変だ。心に悩みがあるらしい。そのうち“妊娠”の症状が出はじめ、しきりにハキ気をうったえる。潔癖な婦長の長居過子まで、私を犯人だと疑っているようだが、噂によると、相手は遊び人の転八郎らしい。あの、まる禿の花盗っ人め!だが、彼を問いつめると、津見子の頬に軽くキスをしただけだという…。暖かいふれ合いに包まれながら、下町医院では騒動続き。第16弾!
目次
愛人志願
ああ、特別注射
三夫にまみえず
オムレツが恐い
妻原病
出勤拒否症
夜は悪魔