内容説明
1920.1.20、グレートハミルトン街にあるカールトン地区登記所で、ひっそりと署名による結婚―日本人で初めて、モルト・ウイスキーの製法を学ぶため、スコットランドに留学していた竹鶴政孝と運命的に出合ったリタの生涯を描く。肉親との愛を断ち切り、極東の日本で、男の夢を共に生きたリタの心に棲む“望郷”とは何だったのか?人間の孤独とはどういうことか?著者初めての、長編伝記小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
79
日本の女性とは、そう改めて考えるとやはりお国柄というものはあるのかもしれない。その国ごとの色というものが。ドラマを観て手にした一冊。ドラマでは知り得なかったリタの心の葛藤を知り、その苦労は、本当に報われたのか心配にもなった。とても几帳面な性格は、自分を守るための鎧だったのかもしれない。家族のため…は自分のため…。それだっていいと思ってしまった。愛する人と共に過ごすため、大事なものを手放したのだから。リタの一生懸命生きようとする姿が時には痛々しくもあるけれど、日本人の妻よりも日本人らしいかもしれない。2015/06/16
mimi
8
『何も望まなければ、何も手に入りはしないということだ。少しを欲する人は少しだけ。人生はつまり誰に対しても平等なのである。』2014/12/25
だけど
6
リタが幸せなら。それでいいんです。2014/07/24
S.F.River
5
サントリーは鳥井の赤玉、ニッカは日本果汁。日本の大半のウイスキーは竹鶴政孝の味と言える。まさに歴史の1ページを知ることができる1冊。5.02025/08/28
与謝野祥子
3
日本で初めて本格ウィスキーを作った竹鶴政孝の妻リタの生涯を書いた物語。20年程前にも一度読んで凄く感動しました。 NHKの朝ドラでやると聞いて思い出して読んでみようと思ったのですが、森遥子さんが亡くなった後絶版になってしまったようです。以前読んだものは処分してしまったので探しました〜。 今回改めて読んでみて、やはりいい本だと思いました。当時の国際結婚の大変さ、戦時中の苦労。リタだけではなく政孝氏のウィスキーにかける情熱も細かく描かれており、ニッカのウィスキーが飲みたくなる本です。 朝ドラも楽しみですね。2014/01/04




