内容説明
アメリカ人の金持の老夫婦、アラブの石油成金、往年の大女優、裏切りや詭計を胸に秘めた美しいジゴロ。ある種の気取りや品格が醸しだす、スノッブな空気。サヴォイ、オリエンタル、ペニンシュラ、ラッフルズ、―世界の一流ホテルを舞台に繰り広げられる男と女の物語。
目次
第１話 半島酒店（ザ・ヘニンシュラ・ホンコン）
第２話 ホテル・オリエンタル
第３話 地中海クラブ・ティーニュ
第４話 サヴォイ・ホテル
第５話 ラッフルズ・ホテル
第６話 ホテル・ニューグランド
第７話 上海飯店
第８章 東京ステーションホテル
第９話 マンション・ダ・モール
第１０話 マーガレット・リバー・モーテル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カーミン
5
スノッブな一流ホテルから場末のモーテルまで、世界中のホテルで紡ぎだされる男女の物語を描いた短編集。ホテルを通して世界の国々の光景が見えてきて、まるでその国を旅したような気持ちになります。2014/05/16
みい⇔みさまる＠この世の悪であれ
2
☆×5.0…著者の作品は大好きなのです。男女の描写がとてつもなくたくみです。今まで読んだ作家の中で一番うまいように思えます。特に特殊な男女の描写はすばらしいのです。この中で珍しいものにいわゆる｢貢ぎ女｣がいるのです。そう、一種の母性本能を出す女性。第二話のそれはまだましなのですが第四話のそれは救えないです。でも、気持ちは分かります。なにかをくすぐられるのでしょうね。まあ、私にはまずないものさ!!これは人生いろいろと経験しないと分かることはできない本です。2012/09/12
Moja
0
「どこに泊まるか」は、旅の醍醐味のひとつだったりもする。実在する世界の一流ホテルを舞台にした、大人の男女の物語。シャングリラ、ラッフルズ、東京ステーションホテル……。洒落さ、気取り、駆け引き。物語が加わることで、建物が生き生きとしてくる。旅情を誘う短編集。2012/02/23
