感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
22
森さんの本にしては珍しい、エッセイと小説がサンドイッチになった本。1冊で2倍楽しめます。今になって思うと、大好きだった森さんのエッセイも、フィクションかなり入っていたんだろうなぁ、と。それでもやっぱり好きですけどね。2013/09/08
山内正
1
テラスは海の匂いが濃く過去の否応なく 戻ってくる二度と戻らないのに 空も次第に暗く杏子を孤独にさす 夫は来年五十九になる 縁あって後妻にになり絵を描ける 不自由ない生活も日常となり描きたいものも有るのに出来ていない老いなのか もっと差し迫った仕事がしたい 評判のコンサートも電話でチケットが手に入る 絵はどうなってる?と夫が 部屋で食事済ませ地下のバーに カウンターで隣の男が話に誘う 部屋に戻り男がノックし話の続きを迫る 朝夫が荷物纏めろ離婚手続は秘書かする 何を言ってるのか 言い訳はちた部屋を出ろと 2023/10/16
eriiiiiiiiiiy
0
ちょうど、これを読んでいる時に、男友達から「本命ちゃんに振られた、胸で泣かせてくれ」と連絡が来た。よほど紹介してあげたい本だったけれど、不謹慎だと思いやめた。2014/02/25
山内正
0
マスカラだけした頬骨の高いほっそりした 姿が鏡に映る 小田リュウと別れて三年彼の絵を買い集め 絵が売れる迄と昼夜働いたが 彼を救う為事業家と結婚した 招かれた屋敷のホールに多くの人が サヨは夫から離れ 見覚えある顔に凍りつく 女主人がリュウは初めてねと紹介する 僕には自己顕示欲の装いにしか見えない 私の背中に 個展が評判ねと口にしていた 太った中年の婦人がファンでね 昔の女の幸せを喜ぶ気持になれないのね? 次の言葉をリュウは遮った 亭主が見てるよ 夫が求めた作品はと聞く 十三枚ですわと他人事のように 2024/04/03
山内正
0
安楽に生きたあの日はとうに過ぎてしまった 感動を共有出来ない巡り合わせが 数社を関係し多忙の毎日の夫は五十九 胸に空いた欠落がしばしば訪れる 年齢差は分かってたことだが 好きなだけ絵を書けると六年が過ぎ シャワー浴びて深く溜息ついた 絵はどうなってるのと夫に言われそうで ホテルで小説家という男に出会った 自分に似てると部屋をノックする 彼女と別れられなくてと 共犯になってくれと言う 名は名乗れませんがと朝方部屋に女が 彼が奥さんと朝まで部屋にいたと 荷物纏めて部屋を出なさいと夫が 夢見た事由に吐き気が 2023/11/15
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