内容説明
岩手の実家の土蔵から“雪舟”と署名の入った山水画の掛け軸を発見した大学生の広田。彼はテレビで人気の“お宝鑑定”番組に出演するが、結果はニセモノと判定。ところが、その贋作を高値で買い取るという男が現れた。広田が山水画を渡した翌日、男は死体となって発見され、贋作の山水画も消えてしまう!不可解な謎の多い贋作盗難殺人事件。捜査を開始した十津川警部は、広田をマークし、雪深い岩手へと向かった!長編トラベル・ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
7
「勝手に列車祭」第238弾。。。文庫コレクション472冊目。。。平成11年 4月25日 初版。。。この話は良かった。最後の一押しで吾らが十津川警部が「大学の頃はヨット部だったんだ」という。犯人も天才肌で色々とトリックを仕込んでくる。。。急行陸中とは。私しが自由に旅行できるようになった頃は、最早急行の存在自体が危ぶまれていた。急行陸中はその中でも割と最後のほうまで走っていたのではないかと思う。そして2016年急行はまなすの廃止に伴って急行の設定がなくなってしまう。残念ながら私しの切符収集の中に急行券はない。2020/01/28
アヴィ
0
存命の頃に西村京太郎本人も出演したことがあるお宝鑑定系のテレビ番組。そんな感じの番組に出品された雪舟の贋作に端を発する物語。タイトルは陸中海岸だが、後半は舞台を東京や和歌山に移してゆく。今回の犯人はトラベルミステリーシリーズでも屈指の頭の良さで常に警察の先を回ったり裏をかいたりで十津川警部と亀さんを翻弄してゆく。終盤はもうルパン三世と銭形警部の追いかけっこのような状態になるが、そこは西村京太郎なので陳腐な漫画もどきにならず一級のエンタメとして仕上げている。2025/05/29