感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
15
読んでいると昭和の空気の只中に放り出される感じがして、ある種のデトックス。収録されている短編はいずれも素直でシンプルな展開で実にcomfortableな作品群。2023/09/26
ちょこちん
3
★★☆☆☆2016/06/10
浅木原
3
初期西村のアイデアの冴えがよくわかる70年代の秀作短編5編。『華麗なる誘拐』の原型の表題作や、標高1000メートルの山の頂上に花柄パジャマの死体が!という謎が魅力的な「天国に近い死体」も楽しいけど、ベストはシニカルなオチが光る「受験地獄」と×××××××パターンとして秀逸な「第二の標的」かな。「白い殉教者」の短編にするには勿体ないような凝り凝りぶりもいい。「第二の標的」や「白い殉教者」のトリックは現代ミステリ的にも通用するアレだし、初期の西村京太郎のアイデアマンぶりに感服する捨て作なしの一冊。面白かった。2015/05/22
アヴィ
1
西村京太郎初期の名作短編集。表題作はこの手の事件が現実で起きると必ず本作を模倣したのではなど、黒澤監督の天国と地獄なみの影響力ある作品。初期故にその後人気シリーズに成長する十津川警部や左文字のキャラがまだ固まってないのもほのぼのとして面白い。2025/10/07
積読荘の住人
1
表題作は左文字もの長編『華麗なる誘拐』と基本アイデアの共通する短編だが、左文字ではなく十津川が登場し、しかも十津川が昼行灯ぽい描かれ型。長編と短編とでアイデアのさばき方がずいぶん異なるので、どちらを読んだ人も楽しめる。巻末二編は左文字ふうの素人探偵徳大寺京介シリーズだが語り手の刑事の一人称が乱歩風文体で、西村京太郎、自分のなかのいろんな引き出しを試していたんだなー、と。巻頭の「受験地獄」も短いながら西村らしい派手さと松本清張ぽいねちっとした細かさをうまく編み上げてスレッサー風にオトすワサビの効いた短編。2025/07/11
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