内容説明
奥多摩で発見された女の全裸死体。それが事件の始まりだった。北多摩署の香月功刑事は、女と死の直前に関係していたことから被疑者として取り調べを受けた。容疑を晴らすべく、香月は警察手帳を返上、〈顔のない刑事〉として捜査を開始した。だが、女の生前の足取りを追い、ある暴力団に接触したところ、香月は捕らえられてしまった。直後、白昼に第2の殺人が…!太田蘭三の代表作にして、警察小説の金字塔。
著者等紹介
太田蘭三[オオタランゾウ]
1929年、三重県生まれ。中央大学法学部卒業後、同人誌を経て56年に時代小説でデビュー。78年『殺意の三面峡谷』で山岳推理の新境地を拓く。以後、「顔のない刑事」シリーズ、「北多摩署」シリーズなどで読者の圧倒的支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
29
たまたま直前に読んでいた本と同様に濡れ場からスタートしていてデジャヴな気分w香月刑事が「顔のない刑事」として捜査にあたる第1作目。本作ではチョンボして辞表、警察手帳、拳銃を預けて…という設定。奥多摩で発見された女性の遺体。生前の彼女と寝たことのある男たち、彼女に金を貸した男たちを調べていくうち、新宿のヤーさん連中や借金によって人生が狂わされた人たちが各々引き起こした事件が絡み出してくる。山岳小説的要素もたっぷり。お馴染みのカニさん、ウマさんも登場。香月の顔の傷が気になる…。2020/09/16
sadapon
15
仕事のミスから酔った勢いで女と遊んだ為に事件に巻き込まれてしまい、責任を取って単独捜査で事件を解決していく若き刑事の物語です。タイトルだけ見るとなんだか怖いイメージですが、単に警察手帳を所持していないという意味合いです。古い作品ですが、舞台となる奥多摩の自然が丁寧に描かれていて楽しめました。2022/01/11
tnyak
2
初読み作家さんの警察小説。香月の本人を追う執念に、 凄みを感じた。 2024/12/07
ポリ
2
古い作品だけれども、良いと思う。一人で地道に捜査をしていき、結果犯人に辿り着く執念深さが凄い系。2017/01/09
sato
2
長編推理小説、というよりは、刑事が推理している長編の物語小説、な気が。2015/08/19