内容説明
好きになる、ということは、心の成長なのだと思う。同時に、それは自分以外の他者の存在を認め、心を奪われることになる最初の体験なのだ。…「好きだ」といったあとで、心の中でもうひと言、「勝手なことをいってごめん」と呟いてみよう。相手が思っている世界が、少しは垣間みえるかもしれないぜ。青春、挫折、男と女。バンカラな中学・高校時代、18歳で単身渡ったアメリカ。人との出会い、別れ、そして愛。人間嫌いに別れを告げる、著者の自伝的青春エッセイ。
目次
「人間として」という言葉に対する照れと嫌悪
人間を好いて信じて、その出会いを喜ぶ気持
大阪から東京へ。愛犬ペロとのつらい別れ
お医者さんごっこをしたバボちゃんとの幼い恋
高熱の私を看病しながら小説を書いていた父
商売ほったらかしで、父の所へ通いつめた魚屋のその後
5歳の頃、新宿の路地裏ではじめて会ったアメリカ人
金髪の娘、女風呂、陰毛、父の喧嘩のこと
病気の父をリヤカーに乗せてプロレスを見に行った〔ほか〕