内容説明
五十二歳という働き盛りの造園設計家・恵門を突然襲った記憶の空白。異常を感じた彼が友人の医師・八木に診断を迫ったところ、アルツハイマー病の疑いがあり、“精神余命”があと一年であることを告知されてしまう。アルツハイマー病が原因不明・治癒不能の病であり、記憶の障害から始まって精神能力と人格が徐々に滅びていくことを知り、恵門は暗然たる恐怖に打ちのめされるが…。生への執着と死への誘惑の間で揺れ動く男の絶望と救済を、叙情あふれる筆致で描いて新境地を拓いた力作長編小説。
感想・レビュー
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赤い肉球
4
夏樹作品、30年以上も御無沙汰してました。推理物かと思いきや、怖い怖い医療に関するお話。それも、決して他人事ではないテーマ。読んでいて、ヤバいヤバいと幾度も呟いていた。主人公とは同い年、になるのかな…、自分にも当てはまることがある。うわー、私も脳が異常ではないか、検査しなきゃ、という思いが沸々と…。先が読めないって怖いね…。若年性は遺伝によることが多いって初めて知りました。これからの社会、深刻な問題になるであろう重いテーマを取り上げた夏樹先生に拍手、です。2015/05/02
Kigalisoupe
1
うううん まあこの主人公は若年性だからね……2011/03/24