角川文庫<br> 海嶺〈下〉

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角川文庫
海嶺〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 356p
  • 商品コード 9784041437117
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

岩松改め岩吉、久吉、音吉の三人はイギリスの商社ハドソン湾会社の厚意によりロンドンを経て日本への帰途についた。が、その道は険しく幾多の困難と何年にもわたる長い時間の集積でもあった。はやる気持に水をかける遠まわりとも思える航跡。日本で固く禁じられているキリスト教との出会い。そしてついに、五年ぶりに故国を目の前にするが、その日本の仕打ちは…。歴史の歯車が大きく動き始めた十九世紀前半の世界を背景に、人間の真実の姿は何かを問う時代巨編、ついに完結!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kou

16
モリソン号事件の裏にこんなドラマがあったなんて・・・・ 非業の運命に翻弄された岩吉、音吉、久吉。 彼らが無事帰国できていれば、 黒船来航も違った意味合いを持ったかもしれないし、開国、明治維新も10年は早まったかもしれない。憎むは鎖国政策です。 この物語は三浦綾子氏の隠れた名作です。オススメです。2015/08/13

Emma

5
7人全員が日本まで来たのに、家族に会いたい一心で長くて辛い毎日を生きてきたのに、すぐ目の前にある土を踏めない、帰りたかったその国に捨てられたやりきれなさ。生きているかも分からないまま待っていただろう家族やお琴の切なさ。創作後記には涙が出そうだった。実際にあったことを軸にしたあまりにも悲しい話だったけど、読んでよかったと本当に思う。2017/11/27

ロバくん

5
漂流から、地球を一周しいよいよ日本へ。 当時悪いとされているキリスト教に関わり、なじみのない外国人と生活を共にすることで音吉たちの意識、考え方が寛容になっていく。 対称的に日本は鎖国とキリスト禁教令といった小さく狭い態度。 とくに禁教令を実施した理由のひとつがお上の権力維持のためという何とも小さくて情けない。 この対比により考えさせられ、感動もする。 そして、音吉たちは勿論のこと、周りの外国人の人々の温かさ。 良い人々に巡り合えたのは偶然ではなく、日ごろの音吉たちの行いによる必然のような気がします。2016/08/09

びー

4
一気に読み切った。 教科書で必ず習うモリソン号事件。その背景にはこんな切ない物語があったとは。 教科書では一言で済まされる事件・事故には名もなき人の人生があるということを改めて感じた。 音吉たちの振る舞いが異国の人の助けを得、日本人に対する評価を高いものとした事は、同じ日本人としてとても誇らしい。 そして、自然への畏敬の念や神を崇拝する気持ちが絶望を目の前にした人間に生きる力を与えるというのはすごいと思った。2014/04/12

karitsuyo

3
時代を考えれば結末は充分予想は出来たけれどやはり切ない。だいぶ前に一度マカオに言ったことあるけどその前に読んでおきたかったなあ。2011/09/17

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