出版社内容情報
しっかり者で正義感の強い羽澄は、父が亡くなって以来、母に心配をかけることをやめると誓った。中学時代に打ち込んでいたバレー部では、先輩から先生に告げ口をしたという濡れ衣を着せられてしまい、人間不信に陥る。なかなか人に心を開けない彼女は、高校で転校したことを機に、クラスになじもうとするも、やっぱりうまくいかない。そんな香澄に、サバサバした美人の藍田が声をかけてくる。「先生から仲良くしてくれって言われたから、声をかけた」と言い切る藍田に唖然とするものの、表面的にうまくやればいいやと割り切ってつきあう。そんなある日、小学校時代に引っ越しで別れた幼馴染の深町君と再会し、動揺する。離婚して離れて暮らしているものの、カメラマンである父を心から尊敬している深町君は、昔と変わらずカメラを構えていた。藍田に強引に誘われ、写真部に入部するはめになった香澄は、深町君に教えてもらって写真を撮る楽しさに目覚めていく……。
【目次】
目次
放課後、レンズ越しの君と
あとがき
内容説明
「写真てさ、鏡だと思うんだよね。自分を映し出す鏡」部活での嫌がらせがきっかけで、本当の自分が出せない高校生の羽澄。転校した学校でもなじめないまま。そんなある日、幼なじみのアキ君と再会する。強引なクラスメイトに誘われ、写真部に仮入部した羽澄は、先輩のアキ君に写真を教えてもらうことに。放課後、ふたりでレンズ越しに見る街の景色や学校の日常は、いつもとまったく違って見える。そんな中、アキ君が大切にしている写真を見てしまって―。一歩踏み出す勇気と、優しさが心に満ちる青春恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
PEN-F
32
高校の写真部を舞台にした青春小説。体育系の青春も良いけど文化系の青春も良いですね。写真とは“自分自身を映し出す鏡”、良い言葉だと思いました😌2025/11/23
なにがし
1
エモいってまさにこういう作品のことを言うのだろうなと読み進めながらにっこり。人間不信気味だった羽澄が少しずつアキくんに心を開いていく様子にきゅんきゅんさせられた。『サイレント失恋』というワードが好き。まさに現代の苦悩が書かれていたのは『SNS問題』。ボタンひとつで真意でないことも簡単に他者へ広められてしまうことができる怖い時代だなぁと改めて考えさせられた。羽澄のまわりには素敵な人たちがいてよかったとほっとした。彼女の勘違いもきっとそうなのだろうなと思っていたけど、最後までときめきながら見守ることができた。2025/11/12




