出版社内容情報
片岡義男の永遠のベストセラー。 青春小説の傑作!彼の第三京浜は今日も薄曇り。走っても止まっても、うんざりの毎日へ、類は友を呼んであいつが現れた。ヘッドライトを消すと夜明けが来て、いよいよ朝のどんづまり。わかってない奴らは、これを「青春」と呼ぶ。
片岡 義男[カタオカ ヨシオ]
著・文・その他
角川書店装丁室[カドカワショテンソウテイシツ]
著・文・その他
内容説明
七月。夕暮れの第三京浜を疾走するムスタングから次々とほうり出される仔猫。少年は一匹を拾い上げ「死ぬときはいっしょだ」と、ムスタングをしゃにむに追いはじめる…。オートバイで走ることでしか生の実感を得られない少年と、仔猫に切ない愛情を注ぐ少女との出逢い。行き場のない若さの倦怠を鮮やかな筆致で描き、七〇年代後半から八〇年代に圧倒的支持を受けた片岡文学の名作をニュー・エディションで贈る。表題作のほか『ハートブレイクなんて、へっちゃら』など四作品を収録。
著者等紹介
片岡義男[カタオカヨシオ]
1940年東京生まれ。74年に『白い波の荒野』で作家デビュー。75年、『スローなブギにしてくれ』で野性時代新人賞を受賞。かつてないスタイルで若者の心象風景を描き、70年代から80年代を通して時代の圧倒的支持を受ける
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
76
ハードボイルドだ。とにかくカッコいい。単車がカッコいい。タバコを吸う様がカッコいい。退廃的に過ごす時間そのものがカッコいい。 もちろん、草食系なる単語もなければ、スマホなんてもちろんない。 1979年の発行である。男子がむちゃくちゃ男子していたんだな。2017/01/07
うわじまお
44
「スローなブギにしてくれ」を含む短編集。70年代の関東圏と1編はアメリカが舞台。5本ともすべてよかった。なんというか、あの頃の日本人にはあまったるくないかっこよさが確かにあった。もちろん、片岡さんはハードボイルド作家。そこをとてもうまく書かれている。まったく色あせない名作ですね。2016/10/20
SOHSA
37
《購入本》片岡義男続け読み。昭和56年の赤背表紙版。何度読んでもやはり片岡義男はいい。理屈抜きにいいのだ。時をかけて胸の奥に淀んだ澱がすっと消えてなくなる。そんな心地よさが片岡義男の小説にはある。本書は5つの短編からなっている。どれもハードボイルドだ。片岡義男の小説はハードボイルドな作品と都会的な透明感のある作品とがあり、どちらも甲乙つけがたい。本書の中で個人的には『ハートブレイクなんて、へっちゃら』『ひどい雨が降ってきた』が特に良かった。30数年ぶりの再読ではあるけれど、輝きはいやますばかりだ。2016/06/16
loanmeadime
19
学生時代に、気まぐれ飛行船は毎週聞いていたし、野生持代もちょくちょく買って読んではいましたが、片岡さんの小説は、感じは覚えているけれど、内容は全くと言ってよいほど憶えていません。野生時代の編集者に言われ、コミックスを言葉で書くように書いた小説と解説に書いてあるのを見て、だから印象が軽いのか、と思いました。煙草と書けばよいところをゴロワーズと書き、キャメルと書くので、そっちへ引っ張られ気味ですが、当時は、そういう気分、ありましたね。2020/12/06
mj
11
これをはじめて読んだ中学生のとき、外国のにほひがしてカッコイイと思った。けども、読み直してみて.....2015/04/19