内容説明
中学生の島崎八郎には、奇妙な卒倒ぐせがある。あらゆる“揺れるもの”に悪寒を催す「ブランコ恐怖症」なる持病のせいだ。またもや卒倒したある日、八郎は亡き母の面影を重ねる黒羽根先生に助けられ、家に帰り着く。その夜、ふと眼醒めた時に聞こえてきた、先生と父の話し声。八郎の強迫観念に隠された、哀しくも戦慄すべき過去が明かされてゆく…(表題作より)。山風推理小説の幅広さを堪能できる、贅沢なミステリ傑作集。
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年兵庫県生まれ。東京医科大卒。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞を受賞。その後、58年『甲賀忍法帖』を発表し忍法ブームに火を付けた。2001年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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