内容説明
明治6年、征韓論に敗れた西郷隆盛は薩摩へ。明治政府は大久保利通を中心に動きだし、警察組織もまた、大警視・川路利良によって近代的な警視庁へと変貌を遂げようとしていた。片や、そんな世の動きを好まない元同心・千羽兵四郎と元岡っ引・冷酒かん八。2人は元江戸南町奉行・駒井相模守の人脈と知恵を借り、警視庁に対決を挑んでゆくのだが…。開化期の明治を舞台に俊傑たちが東京を疾走する時代活劇譚。
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年兵庫県生まれ。東京医科大卒。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞を受賞。その後、58年『甲賀忍法帖』を発表し忍法ブームに火を付けた。2001年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えみ
50
人脈と情報を活かして抗う術を持つ。いつだって反勢力は世に蔓延っている。幕末から明治へ急速に変わる社会の仕組み。大改革で近代化へ。問答無用に進む時代の中で置き去りにされる者たちの抵抗。征韓論に敗れた西郷隆盛が薩摩へ去った明治6年、日本の警察の父といわれる元薩摩藩・川路利良は今に続く日本の治安システムを作り上げた初代大警視として知られている人物。時代の転換期に警視庁に対抗する者たちが出現し、彼の指揮の元追跡捜査をするが、悉く出し抜かれ…。戊辰戦争で敵だった元新選組の斎藤一こと藤田五郎の存在も感じられる群像劇。2026/01/03
シ也
41
時は一新を迎えた明治の日本。“江戸”の治安維持に従事していた同心達はお払い箱とされ、新たに“東京”の治安維持を担う警視庁が組織される。しかし、東京では謎の事件が頻発。解決するは警視庁か、それとも...。良い。実に良い。この時代の新撰組副長助勤・斎藤一を筆頭に森林太郎や夏目金之助など、聞いててワクワクする名前が出てくるのにはにやけてしまった。しかし、警視庁の面々は毎回“置いていかれた”連中に一杯食わされているが、そろそろやり返せないのだろうか2016/04/13
蜻蛉切
29
山田風太郎による、明治初頭を背景にした時代ミステリ。 最後の町奉行を「隅の隠居」と表現したり、「仕掛け人」という表現を用いた直後に「御免くだされ、池波正太郎どの」と作中人物に呟かせるあたり、思わずニヤリな仕掛けが随所にあって楽しい。 印象深いのはやはり、最後の牢奉行石出帯刀を描いた「最後の牢奉行」。 話としては、何ともやり切れぬが、大向こうを唸らせる場面も最後にきちんと用意する辺り、流石は風太郎センセイである。 実在の人物が所狭しと動き回るというのも、歴史好きにはタマランものがある。 下巻も楽しみ。2019/05/21
本木英朗
25
〈山田風太郎ベストコレクション〉のひとつである。俺は昔、東京でちくま文庫を4回読んでいたが、弘前に帰ってからぜんぜん見当たらないため、角川で読むことにした。明治6年、征韓論に敗れた西郷隆盛は薩摩へ。明治政府は大久保利通を中心に動き出し、警察組織もまた、大警視・川路利良によって近代的な警視庁へと変貌を遂げようとしていた。片や、そんな世の動きを好まない元同心・千羽兵四郎と元岡っ引き・冷酒かん八。2人は元江戸南奉行・駒井相模守の人脈と知恵を借り、警視庁に対決を挑んでいくのだが……という上巻である。(→)2022/12/25
くまクマ
25
時代小説にはまり今度は幕末明治もと思い古書店で思わず購入。面白いです。歴史上の著名人と想像上の人物が縦横に重なり合って登場します。これが風太郎式年表ですか。警察小説も面白そうです!2018/06/03




