内容説明
会津四十万石加藤明成は、淫虐の魔王ともいうべき大名。家老の堀主水は毎々諌言したが、ついに主家を見限って退転し、一族の女三十人を鎌倉の東慶寺に託し、高野山に入った。怒り狂った明成は、幕府の許可状をもとに会津七本槍を使い、主水一族と女達を捕らえて江戸に引きずってゆく。芦名銅伯によって育った幻法を操る七本槍と戦う女達。影のように彼女達を援護特訓する柳生十兵衛。忍法対幻法の凄絶な闘いを描く、山田風太郎の代表的傑作長編。
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年兵庫県生まれ。東京医科大卒。47年『達磨峠の事件』で作家デビュー。49年『眼中の悪魔』『虚像淫楽』で探偵作家クラブ賞を受賞。その後、58年『甲賀忍法帖』を発表し忍法ブームに火を付けた。また、『警視庁草紙』『明治十手架』等で、開化小説にも新領域を開いた。2001年没
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感想・レビュー
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ねんまに
2
敵を討つために隻眼の侍柳生十兵衛に武芸の教えを乞う7人の美女たちの物語。この時点でもうなんというか凄い設定なんですが、対する敵は会津七本槍を名乗る個性豊かな武術・忍法の達人たち。さらには、復讐の戦いの過程で徐々に女性たちは主人公十兵衛に想いを馳せ始め、ハーレムものの要素まで入ってきます。まさに現代のラノベやギャルゲーの原型と言えますね!2020/07/18
黒子
1
父や夫を無惨に殺され仇討ちを志す七人の女性とそれを手助けする沢庵和尚に我らが柳生十兵衛。対するは極悪非道の殿様と配下の七本槍、会津四十万石。かよわい女子七人と直接手を下せない制限付きの十兵衛に対して超人技を極めた七本槍と無理ゲー感が漂う始まり。そこを戦略や場の機転で一人一人倒していく様が燃える。サポート役ながら剣技、知略で相手を翻弄、またどんな逆境でも飄々とした十兵衛がカッコいい!そして、沢庵流の真髄に目頭がアツくなる上巻。次巻、敵の本拠地会津での芦名一族との戦いがたぎる。2017/03/05
Berlin1888
1
柳生十兵衛三部作の第一弾、の上巻。極悪非道のバカ殿加藤明成と会津四十万石を敵にまわしての堀の女たちの仇討を、陰に日向にバックアップするのが千姫・沢庵・柳生十兵衛という豪華メンバー。十兵衛は堀の女たちのコーチの役まわりで、直接戦うわけにはいかないのでもどかしい展開が続くことに。悪玉の会津七本槍は超能力モドキの忍者ではとても堀の女たちに勝ち目がないため、バランスを考え、超人的な武芸者といった扱いなので強敵感がいまひとつ。江戸を離れて、俄然面白くなってきたところで下巻に続く。2014/08/02
さときち
0
超人的な体術のぶつかり合いが繰り広げられる戦闘描写ですが、何が起こっているのかわかりにくい、ということもなく映像を見ているかのようにすんなりと動きが頭に入ってきたので、素直に楽しめました。山田風太郎の小説を読むのはこれが初めてですが、すごくわかりやすい文章を書く方だと思いました。2015/05/03
Amarilli
0
三部作の一と聞いていたのだが、いきなり自分が戦わないとかトリッキー過ぎません?今なお真新しくいただける上、息つく暇もなく、あ、時たま垣間見えるされるうぶな柳生先生にも「なかなか・・・」であるからして、全く古さを感じさせない(その感性がもう古いのだろうが)。うるさい!面白い!2015/03/25
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