感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
筑紫の國造
7
戦後を代表するジャーナリスト、大宅壮一による「天皇家は日本でどのような存在であったか」を描いた本。宮中のしきたりや人間関係、天皇家を持ち上げる人々について、わかりやすい比喩を用いながらその人間的な面を俗っぽいながらも平易に暴き出す。「天皇株を買う」「天皇コンツェルン」など、皇室をビジネスの用語に置き換えたりするあたり、赤裸々で非常に面白かった。偽善ではなく、歴史の俗っぽさを全面に出して綴られている。ただ、同時に少し偽悪的というか、「利」の面からしか人間を見ていない部分もある。欲も義もあるのが人間だ2019/02/13
Splash
2
すごい!これだけのリアリズムで天皇という題材を公に書いてしまう潔さというか、思い切りの良さ。天皇家の要諦は血のリレーを絶やしてはならないということであり、それは徳川幕府の大奥システムと同じであり、さらには壮大な性のシステムとしては吉原とも通じるとまで言い切る。こういう冷静な観察眼を持てるようにしなければ。2016/06/14