内容説明
秀吉の死去により、世はふたたび戦乱の暗雲に覆われる。丹波大介は、信義を失い、生き残るため、かつての主にすら刃を向ける甲賀忍者に見切りをつけ、己の信ずる者のためだけに闘うことを心に誓う。伊賀のみならず、甲賀すらも敵にまわす孤独な闘いの日々。時あたかも関ケ原の決戦前夜。大介は石田三成、真田昌幸・幸村父子に己の命運を賭けて家康暗殺を決意するが…。“忍者の戦国史”として永く読み継がれる傑作時代長編。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年東京浅草生まれ。下谷西町小学校卒業後、株式仲買店に勤め、海軍入隊。戦後、都職員から長谷川伸門下生となり新国劇の脚本と小説を発表。60年「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の3シリーズで時代小説の第一人者となる。吉川英治文学賞受賞。90年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あまね
14
『火の国の城』を先に読んでいたので、丹羽大介が若々しい!そして、真田太閤記のスピンアウトとも言える内容で楽しめました。2021/05/28
はいから博士
4
池波さんの忍者小説。不勉強で知らなかったのですが、結構忍者小説も書いているんですね。真田太平記とはおもむきも異なり真田幸村が理想主義者に描かれているところが面白い。終わりの部分があっさりしているが、都会人である池波正太郎の美学かもしれないですね。2010/11/03
kino
2
甲賀忍者は郷土意識が強いのかあ。2012/10/10
ショコ
2
ハッピーエンドじゃないのかーというのが残念。思いのほか人間関係が交錯していてびっくりした。時代ものあんまり読んだことなかったけどぐいぐい読まされた感じ。2010/12/26
宇和島太郎
1
真田太平記をコンパクトに縮めて同じようなエピソードを別の登場人物が活躍する太平記のパラレルワールド。不思議な面白さでした。2022/04/07