出版社内容情報
池波 正太郎[イケナミ ショウタロウ]
著・文・その他
内容説明
囲碁の口論から父を惨殺した笠原孫七郎を追って三十年。信州松本藩の夏目半介は仇討ち費用を人に貸して生計を立てる江戸暮らし。ふとなじんだ娼家のお君の、熟れた体に激しく溺れた。そのお君が悪事を犯しただんなと江戸を出奔、半介は後を追うが、その男こそ…。「うんぷてんぷ」以下、江戸時代の仇討ちをテーマとする八編を収録。仇討ち制度の非人間性と、それに翻弄される人間たちの運命を鮮やかに描く珠玉作品集。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年東京浅草生まれ。下谷西町小学校卒業後、株式仲買店に勤め、海軍入隊。戦後、都職員から長谷川伸門下生となり新国劇の脚本と小説を発表。60年「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の3シリーズで時代小説の第一人者となる。吉川英治文学賞受賞。90年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
82
変化にとんだ8っの仇討ちを書いた物語です。 一番悲惨なのは、仇である者がつまらないことで殺され、埋められて、それを知らずに何十年と仇を追い求める「熊田十兵衛の仇討ち」です。また、仇と追われる恐怖から逃れるために、たまたま出合って死に水を取った者になりすまして旅をしていて、その者が仇持ちで、間違って仇討ちされる「あばた又十郎」は、こんな仇討ちもあるのかと驚きます。🌿続く→2021/12/10
タツ フカガワ
46
追われる方も怖いなら追う方だって怖い。だが仇討成就まで旅は続く。そこにちょっとした偶然が人生を大きく変える。“仇討ち”をテーマにした全8話の短編集。金七郞が養子に入った家の養父が大工と喧嘩して死亡する。これを表沙汰にしたら武家の体面に関わると示談にしたことで、これが後に金七郞の人生を大きく変える「金ちゃん弱虫」。追われる堀小平次は男前。だが疱瘡を患いあばた顔になったことで名前も熊川又十郎と変えたことが皮肉な結末を迎える「あばた又十郎」。久しぶりに池波節を楽しみました。2022/09/19
ひ ろ
17
★★☆☆☆ ありきたり。あんまり面白くなかった。 初期作品だから?2023/08/01
ぺしみち
4
面白い2015/03/03
犀門
3
#114★★★☆☆当然のように面白く読んだのだが、やはり短篇集は物足りなさが残るなぁ。2010/10/19