出版社内容情報
城山での壮烈な最期 爽快な感動を呼ぶ完結編中村半次郎、改名して桐野利秋。日本初代の陸軍大将として得意の日々を送るが、征韓論をめぐって新政府は二つに分かれ、西郷は鹿児島に下った。その後を追う桐野。刻々と迫る西南戦争の危機……。
池波 正太郎[イケナミ ショウタロウ]
著・文・その他
内容説明
大政奉還から戊辰戦争へ…。幕末の争乱は最後の激動を見せ、慶応は明治と改元された。中村半次郎、改名して桐野利秋。日本初代の陸軍少将として得意の日々を送るが、国情はなお不穏。征韓論をめぐって新政府は二つに分かれ、西郷は鹿児島に下った。その後を追う桐野、刻々と迫る西南戦争の危機…。城山での壮絶な最期を終章に中村半次郎の後半生を描き、爽快な感動を呼ぶ完結編。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年東京浅草生まれ。下谷西町小学校卒業後、株式仲買店に勤め、海軍入隊。戦後、都職員から長谷川伸門下生となり新国劇の脚本と小説を発表。60年「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の3シリーズで時代小説の第一人者となる。吉川英治文学賞受賞。90年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
78
時代は大政奉還から戊辰戦争へと流れゆき、明治時代へと入ります。半次郎も桐野利秋と名を改め、日本初代の陸軍少尉を務めるのはやはり時代の中で自分の立ち位置を分かっていたからだと思います。征韓論、西南戦争と時代は変われど、動乱は変わりなく、桐野の剣に生きる姿も変わらなかったのでしょう。西郷どんが魅力的に描かれているので、近々西郷どんがガッツリ出てくる作品が読みたくなりました。2017/07/19
Yasutaka Hori
3
この本、桐野利秋もさることながら、西郷隆盛への興味もふつふつと湧きますね。幕末編よりも入り込むことができました。まっすぐな桐野利秋の人柄は、清々しくもあり、明治維新の混乱を切り抜けるほどの奸智を持たず、結果的に時代に取り残されたような最期は物悲しさも漂う。ただ、当の本人はそうした想いはなく、おそらく当然のごとく新政府を追われた西郷をしたい、支え続けただけなのだろう。2017/06/05
Shoko Ochi
2
半次郎を好きになりましたが、読後、西郷隆盛の歴史物が読みたくなりました。確か池波正太郎か司馬遼太郎の作品があったような気がする。
kimoiue
1
未だに人工衛星だなんだって日ノ本に向けて飛ばしてくる無礼千万不届きな国があるぞ。 黙ってていいのか? 自衛隊でもなんでも駐留して指導してやらねばいかん。なっちょらん。なっちょらんぞ!2022/01/07
よひとかっぽ
1
維新後、中村半次郎改め桐野利秋。数多の修羅場を乗り越え陸軍少将までなる。 ただ、彼の人生は西郷隆盛あってこそ。なので政局破れ共に下野、西南の役へという流れ。薩摩でもなっちょらん!今にみちょれ!と意気軒高、人間味あふれる怒涛の後半生。池波先生の幕末もの初読。感涙ごわした。2021/07/25