出版社内容情報
池波 正太郎[イケナミ ショウタロウ]
著・文・その他
内容説明
夕立に煙る路上で六人の刺客に襲われた塚本伊織は、息子の伊太郎(のちの幡随院長兵衛)に「からつ」と言い残して死んだ。流浪の末に奉行先を得た二十歳の伊太郎は、父の死の謎を解いて敵を討つため、三千石の大身旗本、水野百助の援助で元唐津藩士だった茂平次を彦根に探し出す。そしてすべてを知ることになるが…。江戸一の“人いれ宿”を営む山脇宗右衛門の元に身を寄せる伊太郎。だが、その背後に刺客が迫る。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年東京浅草生まれ。下谷西町小学校卒業後、株式仲買店に勤め、海軍入隊。戦後、都職員から長谷川伸門下生となり新国劇の脚本と小説を発表。60年「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の3シリーズで時代小説の第一人者となる。吉川英治文学賞受賞。90年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
49
面白かったです。刺客に襲われ死んだ父親。流浪の末に奉公先を見つけた伊太郎が父の仇を討つために動くことで真実を知ることになるのが辛かったです。伊太郎の背後にも刺客が迫り、どうなるのか気にかからずにはいられません。下巻も読みます。2023/03/19
Kira
6
図書館本。幡随院長兵衛の物語の上巻。路上で六人の刺客に襲われた父の危難に偶然行き合った塚本伊太郎(後の幡随院長兵衛)は、絶命した父から「からつ」という言葉を聞く。父の死の謎を解き、仇を討つために伊太郎は奉公先を辞めて大坂へ旅立つが、自身も刺客に襲われて重傷を負う。その窮地を救ってくれたのは、江戸で「人いれ宿」を営む山脇宗右衛門だった。伊太郎の父の危難に駆けつけた旗本の嫡男水野百助(後の十郎左衛門)が、格好よくて粋である。二人とも実在の人物で、歌舞伎では有名な台詞が多いと、ネットでにわか仕込みした。 2021/04/05
kadocks
4
読まなきゃ本がたくさん積読併読なのに、Unlimitedでススメられ、ちょっと落としてみて最初の一行でハマった笑 池波正太郎作品はこれだからイカん。流れるような文体とストーリーテリングは匠の域。その上時期的にも三代連載や真田、雲霧などの代表作後で、書くのが楽しい感じがする。その分あまり様式的でないのもいい。連載だったのだろうか。三部作もまだ鬼平しか読み出してない(全部購入済み)のでゆっくり読んでいこうと思う。さて下巻もアンリミっちゃおう。2023/10/16
rakim
1
まさに悪逆非道な父の敵、寺沢兵庫頭を討つべく、さまざまな人と出会いながら生きてゆく塚本伊太郎。後の幡随院長兵衛として知られる彼の生涯を池波さんはどう描くのか。2011/07/04
Pamina
0
◯2017/09/20