出版社内容情報
池波 正太郎[イケナミ ショウタロウ]
著・文・その他
蓬田 やすひろ[ヨモギダ ヤスヒロ]
イラスト
内容説明
“汝は、天下にきこえた大名に仕えよ”との父の遺言を胸に、渡辺勘兵衛は槍術の腕を磨いた。織田信長・信忠父子の甲州攻略に、近江の小城主阿閉淡路守家来として加わり、信忠の危機を救う武功で、一躍その名をとどろかせた。だが、勘兵衛は、信忠から拝領した名刀をねだる吝くさい淡路守につくづく愛想が尽き果てる。俺が心から働ける主君はいないのか。戦国の世に「槍の勘兵衛」として知られ、剛胆颯爽と生き抜いてゆく男の変転の生涯を描いた長編力作。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年東京浅草生まれ。下谷西町小学校卒業後、株式仲買店に勤め、海軍入隊。戦後、都職員から長谷川伸門下生となり新国劇の脚本と小説を発表。60年「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の三シリーズで時代小説の第一人者となる。吉川英治文学賞受賞。90年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
54
面白かったです。槍の腕で戦国を生き抜いた渡辺勘兵衛。甲州攻略で一躍その名を轟かせるのは流石だと思いました。ただ、主君にはうんざりしていたようです。自分を使える上司はいないものかと思うのも何だか分かる気がしました。「槍の勘兵衛」の生き様は武士らしくあったと言えますね。2023/03/15
Yukihiro Nishino
13
激動の戦国時代を己の信念を曲げることなく生きぬいた勘兵衛。周りの人間にも恵まれてもいた。さぞかし満足のいく一生であったろうと思う。2016/03/14
えりすこ
11
豊臣から徳川へと移り変わる時代、様々な大名に仕えた渡辺勘兵衛の物語。これから戦がなくなるという時代は武士として生きてきた人間にとっては大変だったろうな。まさに激動の時代だったのだろう。2015/10/08
スプリント
8
槍働きで名を馳せた渡辺勘兵衛の生涯。 戦の場面は多くなく、浪人時代の鬱屈した場面が多い。 史実では藤堂家を放逐されたあとは仕官を妨害され不遇だったようだ。増田長盛のイメージが変わった。2022/12/17
yuhi
3
戦国時代を生き抜いた武将の物語。読む前は名前も知らない武将だったが、読み進めていくうちにとても愛着がでてくる人間味のある人物だった。歴史で学んだ事象の裏側には私達と同じ人間達の葛藤があると分かる。他にも時代小説を読んでみようと思うきっかけとなった。2020/05/09