出版社内容情報
田辺聖子が行き着いた人間の生き方。生きていくために必要な二つの言葉、「ほな」、と「そやね」。別れる時は「ほな」、相づちには、「そやね」といえば、万事うまくいくという。窮屈な現世でほどほどに楽しく幸福に暮らす方法を解き明かす生き方本。
田辺 聖子[タナベ セイコ]
著・文・その他
角川書店装丁室[カドカワショテンソウテイシツ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
543
訃報を聞き、積んであったこちらを思い出し。20代のころに貪るように読んでいたのに、その後憑き物が落ちたようにご無沙汰していたおせいさん。タイトルに惹かれたこちら、おせいさんが経験から導き出した人生訓的なアフォリズムと共に、軽快な文章で「ぼちぼちでいいんだよ(かなり大意)」と読者の背中を押してくれる。ご冥福をお祈りします。2019/06/11
buchipanda3
100
田辺さんが語る人生のアフォリズム(金言、格言、箴言みたいなもの)。齢80を前にした著者の酸いも甘いもかみ分けたような指南(主に男と女のこと)が関西弁の軽妙さにノってつらつらと綴られていた。似た話が多いのはそれほど人の悩みは単純なものなのかも。ちょっとお酒の入った談議のような気軽さで箴言がぽんぽんと出てくる。「男の沽券定期券説」とか「色気じゅくじゅく」って表現がまた可笑しい。目立ちたがり欲は厄介なもん。そして人生はだましだまし、それは騙りではなく希望の謂い回し。「まあ、こんなトコやな」「そやね」。2020/05/11
優希
79
世の中の様々なことを絶妙にユーモアを交えて語っています。世間は窮屈なものですが、そこに些細な幸せを持って過ごすおせいさんは生きることのプロだと思いました。人生色々ありますが、だましだまし、些細な喜びを大切にしながら過ごしていきたいですね。楽しく生きるための教本です。2018/05/17
Shoji
69
普段の生活のちょっとした機微を田辺聖子さんなりの金言に置き換えて面白おかしく語る。時にブラックユーモアを織り交ぜて。語り口は女子目線なので男子の私は苦笑するしかない。「ほな」と「そやな」は世の中を融和させる究極の言葉とか。言い得て妙。肩肘張ってもしゃーない。「人生は、だまし、だまし」かぁ。まさにそうやんなぁ。2017/09/13
ヒロミ
46
おせいさんの随筆を読んだのは初めてでした。ナアナアな中年、イチブン氏と理想高きOL、フィフティちゃん、おせいさん、ときどきカモカのおっちゃんを混じえて語られる「いい塩梅」の大人の随筆集。おせいさんの著作は小説もそうですが、カドがなくて心がまあるくなる感じ。合間合間に挟まれるアフォリズムが印象的でした。そっかー「可愛げのある男」に尽くしてる間にアッという間に人生は幕を下ろしてしまうから野心のある女性は気をつけないといけないのね。結婚ってなかなかふしぎなもんです。おせいさんのほかの随筆も読むつもりです。2018/04/27
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