内容説明
三条油小路に住む小侍従は、宮廷きっての美女、という噂。香を調合したり、染め物をしたり、ちょっとした縫物をしたり、というのがとても上手。蓄財の才に長け、女一人で生き抜くのにもそつはない。今、年下の恋人・二条の少将に首ったけ。男と恋が楽しみなのだ。少将は名うてのプレーボーイ。恋の冒険に明けても暮れてもうつつを抜かして倦むことを知らない。ほんの遊び心でかいま見た女は、暗い妖しい情趣と愛らしい少女の零囲気を合わせもつ子持ちの未亡人だったが…。恋、背信、心がわり。―揺れる大人の恋を美しい季節の移ろいとともに描く、王朝の長編恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひのきもり
2
もっとずっと若いときには少将の心の動きに同調して読み進んだ記憶がある。久しぶりに再読してみたら、小侍従や御方様の方に思いっきり感情移入。うん、私もそれなりに人生経験を積んだということだろう。それにしても、かなり前の作品なのに、内容もだし語り口もぜんぜん古さを感じさせない。さすがは田辺さん。脱帽。
でんさん
1
あまり期待していなかったけど、良かった。平安絵巻的でありながら現代的。こんなに田辺聖子と相性が良いとは思わなんだ。しばらく田辺聖子を読もう。2022/04/10
ティパリン
1
小侍従の恋愛操作術は見事!そして小侍従の最後の選択は、まさに「女は愛するよりも愛される方が幸せ」。恋愛に情熱的でありつつ冷静だった小侍従らしい。2018/08/15
雛
1
あっと驚くラストでしたよね
はのん
1
願わくば、少将にもうちょっと後悔でのた打ち回ってほしかったなー2009/03/31