角川文庫
青い鳥のゆくえ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 161p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041294314
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

だれもが知っているはずの「青い鳥」の物語。それは幸福の象徴、夢のシンボル。しかしメーテルリンクの原作は実はおそろしくシビアで残酷な物語だった。みつけたと思うと逃げてしまう「青い鳥」、永久につかまらない「青い鳥」。現代の「青い鳥」はどこにいるのだろう。そのゆくえをさがして著者は、孤独な思索の旅に出る。青い鳥=幸福。この定式からキリスト教、仏教、遺伝子やゲノムへと、より大きな世界を求めて羽ばたいていく五木版『青い鳥』。心にしみ入る新しい幸福論。

目次

青い鳥のゆくえ
青い鳥の秘密

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

40
青い鳥つながりで、読書メーターも3読目。前半の「青い鳥のゆくえ」は平成7年の論考。すでに27年が過ぎているが、世界への危機感は今も変わらない。ここに述べられたことがらが、そっくりそのまま当てはまる。青い鳥が「幸せ」を考えさせる物語であるかぎり、今でも読み継がれるべき理由は大いにある。メーテルリンクがその主義主張を前面に立てずに、ステージの効果を綿密に考えていた点を指摘。作品と言うものが、まず受け入れられなければ、主張も伝わらないという厳しさの元にあることを思い知らされる。次に読むなら原形の戯曲で読みたい。2023/12/27

へくとぱすかる

26
ごく小さいときに、ダイジェスト版で読んだきりだった「青い鳥」が、実は古い童話ではなく、さらにハッピーエンドでもなかった、という衝撃の事実を教えてくれた本。作者が何を伝えたかったかを五木寛之は考えるのだが、将来の見えない今こそ「青い鳥」は読まれるべきだと、私も思う。文庫刊行から16年。「今」はどんどん現実をまずい方向に進めているようにさえ思える。幸福は簡単に得られなくても、しかし希望はどうしても必要だ。第二次大戦後まで存命だったメーテルリンクは、まさに「青い鳥」という作品が真剣に必要な時代まで生きたのだ。2015/07/05

えるもん

11
原作『青い鳥』と本著を読み比べながら感じたことは、メーテルリンクはどえらいやつや!!ってことです。五木さんの「青い鳥」を読んだ感想が10年後、20年後、30年後となっていて伝えたいメッセージが変化していく様子を楽しむことが出来ます。感想→『となりのトトロ』の自然の美しさや、田舎の暮らしぶり『天空の城ラピュタ』の冒険するドキドキ感、人間文明の愚かさ…2つのジブリ作品を合わせたぐらい面白くて魅せるストーリー。そして『進撃の巨人』の絶望感やスリリングさを味わえる、しかも結末は自分で考えなさいスタイルの超問題作。2014/08/19

へくとぱすかる

6
11月の最後に読んだ本が、青い鳥についての話で終わっていたので、12月最初の本はこれにした……のではなく、最初からそのつもりで次の本を用意していたら、ラストに青い鳥の話が出てきて、偶然の一致に驚いてしまった。再読。この本のおかげで、原作の「青い鳥」を岩波少年文庫(若月紫蘭の旧訳)で読むことができたのだが、もしこの本がなかったら、幼少のころのおぼろげな記憶でしか、「青い鳥」を知らずに終わっていただろう。幼児絵本には出てこないラストを。2013/12/01

きーさん

5
幸せの『青い鳥』の原作を元に「生きがたい世」を生きる希望とは?幸福とは?という問いを平易なことばで静かに深く語りかけるエッセイ。原作『青い鳥』は、よく聞く「幸せの青い鳥はすぐ近くにいました。おしまい」という話ではない。主人公は極貧家庭出身。青い鳥を得た後で、かなりシビアな結末を迎える。出来合いの“青い鳥”(幸福)なんてこの世にはない。既成の幸福や希望にとらわれず、それぞれが自らの手で自分にとっての“青い鳥”をつくり上げていかなくては…そんな筆者のことばが、先の見えない今だからこそ心に深く染みてくる一冊。

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