内容説明
楽しいときも、悲しいときも、焼きつづけたお菓子。お菓子の焼きあがる妙なる香りで、「私」の夢はふくらむ。―少女のやさしい心に泣きながらむさぼり食べたバナナケーキ。初恋の彼にささげたロックケーキ。貧しい父が買って帰ってくれた一箱のケーキ。お菓子狂を自称し、ついにはお菓子屋さんにまでなってしまった著者が綴った、ユーモアあふれるお菓子のエピソード。
目次
1 泣きながら食べたバナナケーキ
2 キャトルキャーは4分の4
3 幻の雪男クンに捧げた幻のクッキー
4 お姫さまのシュークリーム
5 パイよエレガントであれ
6 伯母さんの天火
7 ロックケーキの売れ行きは?
8 わが青春のフルーツケーキ
9 ムッシュ・ワタナベの魔法のケーキ
10 サビサビの天火の秘密
11 ドイツのお菓子
12 ケーキはパリかウイーンか
13 父の買ってくれた幻のケーキ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あまね
5
父の買ってくれた幻のケーキの章は私の泣ける話です。2010/12/14
barabara
4
ケーキマニアの桂さんが、お気に入りのお菓子とそれにまつわる後日談を披露してくれる、可愛い本。出てきたお菓子は、当時は斬新な慣れない外国名のものばかりだが、現在では私でもその殆どを食べたこともあるのが時代の流れを感じた。桂さんご自慢の思い出ケーキの写真入レシピ本があるそうだから、今はその本を読むのが楽しみ。2013/10/07
RubisCO
3
小さい頃から大好きで、幾度となく読んだ本。最近無性に甘いものが食べたくなっていたので、その欲望をごまかすために再読してみた。スイーツをコンビニで買える時代だけど、手軽さと引き換えにとても大切な何かが失われてしまった気がする。大量生産が悪いこととは言えない(私もかなりお世話になっているし)。でも、バタをふんだんに使って天火で焼くように、「うまくできたかな?」とか「今回のお店のケーキはどうだろう?」というほんの少しの不安とたくさんの期待を抱いて食べるように。そんな風にしてお菓子と向き合ってみたい。2020/10/11
宇佐菊
3
数をこなしたくて何度も読んだ本を再読。お菓子への憧れに溢れた本。たぶんきっと、たくさんの少女にたくさんの夢を与えたのだろう。これしか読んでなくて知らないんだけど、あんな昔に何回も外国行ってるってどういう人なんだろ? 毎回不思議に思うけど、知らないままでもいいかなと思う。作中の手作りお菓子の多くは、舌の肥えた今食べてもたぶんそうおいしくはないのだろうけど(作中の某K堂のお菓子みたいに…笑)、記憶の中でずっときらきらしてるのだろうな。東京會舘のものではないけど私もガトーアナナが大好きなのでまた食べたくなった。2017/08/13
虹の谷
3
エッセイと一緒にレシピも付いてます。バナナケーキを作った記憶あり。作者のお父様が買ってくれたケーキの話に涙スイーツは心を豊かにする。生活に潤いをもたらすものだと感じました。




