内容説明
「詩は地球上のさまざまな言語の違いさえ超えて、私たちの意識に風穴をあけてくれるものだと思う。そこに吹く風はこの世とあの世を結ぶ風かもしれない」こう語る谷川俊太郎にとっての詩とは、言葉の力とは、そして友の記憶とは。さまざまな文章について語った「読む・書く」。河合隼雄や寺山修司ら友人について綴った「人」。そして大切な思い出「武満徹」。3部構成から成る、宝石箱のような珠玉のエッセイ集。
目次
読む・書く(書くこと;内臓されたことば;「ドリームチャイルド」 ほか)
人(荒木経惟―青い空に白い雲が浮かんでいる;池田澄子―虚空へと・『池田澄子句集』;市川崑―市川さんのやさしさ ほか)
武満徹(武満の「うた」;音楽を疑う必要;日常の白い壁 ほか)
著者等紹介
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年東京生まれ。詩人。52年処女詩集『二十億光年の孤独』を刊行、高い評価を得る。詩集『日々の地図』で読売文学賞、翻訳『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞を受賞。詩人としての活動のほか、スヌーピーでおなじみの『Peanuts』などの翻訳、脚本、映画、写真、ビデオ、ワークショップなど、幅広い分野で活躍。音楽家である長男・賢作氏との、朗読と音楽のコラボレーション企画も精力的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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生活相談屋
2
詩人谷川俊太郎のエッセイ。谷川さんのエッセイには、詩人ならではの、物事の本質を短い言葉で表した表現があちこちにあって、読んでいてとても気持ちがいい。例えば・・・「だが、無私は自分をなくしてしまうことではない。そんなことは誰にも出来ないだろう。既成の価値基準や倫理に縛られた自分から離れて、性急な判断をせずに人の心に自分の心を共振させる、それが無私だと思う」こんな珠玉の言葉が散りばめられているのだ。僕としてはときに難解過ぎる詩を読むよりも、むしろエッセイの方が言葉の美しさに耽溺出来るような気がしている。2017/10/25
藤野
1
買った数冊の本を持ちながら電車の中で「本の恐怖」を読んだ時、何だかずっしりと本が重たくなった気がした。読みながらずっと笑い声が零れそうになるのを堪えていた。2016/02/27
けにー
1
詩人の中には孤高のような詩を書き読み手にも考える事、感じる事を促するタイプの作家と子供にも分かるような端的な言葉で書きながらもあることに気がつくと世界は全然違って見えるしそんな世界は貴方の隣にも広がっているんだよと気付く手伝いをしてくれるような作家とがいると思うのだけど谷川俊太郎は後者でしょうね、圧倒的に。この本は詩集ではなく友達とのことについての文章を集めた作品集なのですが基本的には普段と同じ穏やかで日常的な文章が並ぶのですが谷川俊太郎の優しい目線を通して相手を思う気持ちが伝わってきます。2015/05/31
加悦
1
エッセイ集はあんまり読まないのですが、谷川さんの言葉はすんなり心に伝わってくる感じがします。やっぱり言葉の使い方を熟知してる人だなと思いました。2011/03/21
仮名
1
谷川さんは詩人だけど、「文章家」というのが一番正しい気がする。素敵なエッセイ集。
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