内容説明
大和に残してきた弟橘媛を想い、女人を近づけないと決意していた倭建だったが、宮簀媛の誘惑には抗しきれず、次第にその虜となっていく。東征の任務を忘れ、尾張にとどまる建に、大和は疑いの目を向ける。建の危機に気づいた弟橘媛は、建を宮簀媛の魔性から解き放つべく、巫女として尾張に下った。弟橘媛は果たして建を救うことができるのか?一方、大和では、大王妃・八坂入媛や謀臣・物部十千根が、建を陥れようと奸計を巡らしていた。英雄ヤマトタケルの生涯を描く壮大な古代ロマン、待望の第三弾の文庫化。
著者等紹介
黒岩重吾[クロイワジュウゴ]
1924年大阪生まれ。同志社大卒。1961年、『背徳のメス』により第44回直木賞受賞。社会派現代小説の他、『天の川の太陽』(吉川英治文学賞)や『落日の王子蘇我入鹿』など古代史ものにも力作が多く、1992年第40回菊池寛賞を受賞
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