出版社内容情報
武勇に優れ、骨肉の愛と確執に傷つきながら、権力より自由を求めて生きるヤマトタケルの波乱に満ちた生涯を描く壮大な歴史ロマン。待望の文庫化!
内容説明
大和王朝の王子でありながら、権力よりも自由を求めて生きようとする若き英雄、倭男具那。重臣たちの人望を集めながらも、その勇猛さゆえに、父王、兄王子から疎まれ、王権を奪取しようとする士族たちに命を狙われる。台頭した大和王朝と、それに反発する士族たちの争いが繰り広げられる激動の四世紀末、数奇な宿命を背負い、ヤマトタケルの青春は幕を開けた―。血を分けた兄との確執と兄弟愛、刺客との壮絶な闘い、日本最古の英雄を描く壮大な歴史ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
117
実家に近いあたりだから、地勢が分かりやすく、歴史に疎いところがあるにもかかわらず読みやすかった。子供の頃によく行った平城京と、少し南の飛鳥や三輪のあたりに都があった時代のことをほとんど知らないままきてしまい、いずれ平安遷都に至るまでの日本の歴史物を読んで見たいと思っていた。こちらを手始めに手に取る。ヤマトタケルの物語は続く。どんどん先にすすみたい2020/11/01
Die-Go
43
図書館本。後のヤマトタケル、男具那(オグナ)の生涯を、古代史小説の第一人者黒岩重吾が描く。オグナは知勇に優れ、部下からの人望も厚い王子であるが、それが故に父王や兄弟からは疎まれていた。そして、何者かに命を狙われることとなる。自分の出生の謎と暗殺者の正体を追うオグナ。その結末は。 古代史自体にあまり興味がないこともあってか、あまり入り込めず。著者の文体にも慣れないのもあったか。続きは読まないかな。★★★☆☆2018/03/07
hrmt
31
これまで読んだ数冊の黒岩作品古代史物の中でも一番なぐらい古代の話である本作。荻原作品の記紀をベースにした勾玉シリーズで、改めてもとネタに詳しければもっと楽しめたかもと思ったのを機に読んでみることにした。日本最古の英雄とされるヤマトタケル。名こそ知っているが、それ以外呆れるほど知らない(^^;;どんな人物で何をした人なのか⁇残された説話が事実なのか創作なのか、記紀ですら違っており真実は謎だ。伝承だとしても事実だとしても、骨肉争う権力闘争は古く昔から存在したらしい。人間の欲望って、いつの時代も変わらないのね…2019/03/21
浦
13
面白い!著者の古代ものが好きで色々読んでいるが、全6巻になるこの作品は一番力が入っているのか、他の作品と比べても段違いで面白い。主人公ヤマトタケルを含め、登場人物の魅力や震える心が別次元だ。今まで読んだ中で一番面白い作品を更新した。しかし、なぜこんな作品が電子書籍以外絶版なんだ・・・。紙でほしい。著者が生きて居たら、間違いなくファンレターを送っていただろう。2017/09/20
kiiseegen
10
黒岩古代史観も遡り、景行天皇の御世へ。シリーズ全てトータルすれば一番の長編らしいが、まだまだ始まったばかり・・・だが既に記紀とは違った点があり面白い。色々と興味があったヤマトタケルの物語、次巻、征西へと続く。2019/11/11