内容説明
二十年ぶりに再会した泰子に溺れていく私は、同時に彼女の幼い息子の不信な目に怯えていた―「潜在光景」。借金苦で自殺した社長はなぜ八十通もの遺書を残していたのか―「八十通の遺書」。わが子をさりげなく殺そうとする父親。が、息子はそれを察知していた―「鬼畜」。日常のちょっとした躓きがその後の運命を大きく変えた世にも怖ろしい六つの結末。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年、福岡県生まれ。朝日新聞西部本社広告部時代に、処女作『西郷札』を書き、続けて発表した『或る「小倉日記」伝』が52年度の芥川賞を受賞。56年、小説家として独立。『点と線』『砂の器』『昭和史発掘』(菊池寛賞)『古代史疑』等々、幅広い分野で活躍し、日本文壇の歴史に残る偉業を遂げた。92年、永眠
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
53
清張先生110周年記念のムック本で岩下志麻氏インタビューを目にし、そういえば「鬼畜」何度も観ているのに読んでないと思い立ち。タイトル作含め全6編、淡々なのにじっとり。大満足。2019/10/19
ぷっくん
53
『図書館本』初の松本清張!短編集でかなり楽しめた✩.*˚30年以上前の作品だから、時代感を楽しみながら(^-^)人間の恐怖と闇と狂気が物語全てに入り、ホラーでは無く、やたらとリアルな怖さとして残る作品。さすが、映画やドラマになるだけありますね、短いのに楽しめるので読んで良かった!子供に恐怖を感じる(潜在光景)、(鬼畜)哀れすぎる父親、(鉢植えの女)は金と欲の女、(雀一羽)は残酷な時代物。松本清張の作品、また読みたい(^-^)2019/03/01
かっちゃん(かっち)
35
面白かったです! ドラマにもなっていたので、原作を読みたかった! 子供の目線とか思いとか、巧く書かれていたと思います。2016/04/20
June
30
ページを開くと昭和30年代の世界。一番インパクトが強かったのはドラマでも見た事のある「鬼畜」。その行為は、題名そのものに他ならないのだが、どうしようもなくそこへ追い詰められいく人間の心理が恐ろしい。宗吉の周囲の人間も含め自分の都合で身勝手になる人間の醜さが、自分の中にもある事を自覚する。「鉢植を買う女」何年か前の新宿渋谷エリート殺人事件を思い出したが、小説の方が先だ。「潜在光景」人間の内側の後ろめたい気持ち、子供の勘の鋭さが緊迫感を持って迫ってきた。そして因果応報から人は逃れられないのだ。2019/04/08
犬こ
30
読友さんのおすすめ本。短編集なのに一つ一つが濃~いぃ。昭和の時代背景、ダークな人間模様がドラマを見ているかのように頭の中で映像として浮かび、この中から2話が映画化されたのも納得。2016/08/10
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