内容説明
役所勤めの浅井が、妻の死を知ったのは、出張先の宴会の席であった。外出中、心臓麻痺を起こし急死だったという。発作は、どこでどう起きたのか。義妹によって知らされた死に場所は、妻から一度も聞いたことがなかった地名であった―。死の真相を探るうちに、思わぬ運命に巻き込まれていった男の悲劇を描く復讐サスペンス。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年、福岡県生まれ。朝日新聞西部本社広告部時代に、処女作『西郷札』を書き、続けて発表した『或る「小倉日記」伝』が52年度の芥川賞を受賞。56年、小説家として独立。『点と線』『砂の器』『昭和史発掘』(菊池寛賞)『古代史疑』等々、幅広い分野で活躍し、日本文壇の歴史に残る偉業を遂げた。92年、永眠
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナキウサギ
37
これは昭和45年に連載された年代物。ふと思い出したのは、作家・カトリーヌアルレーの『目には目を』。追う側から追われる側に変わる内容はそのものだなと思った。追われる側になった浅井の奇怪な言動や行動、復讐心や嫉妬の入り乱れた心情は巻末までそのまま駆け抜けていく。面白かった。2021/11/03
ながのゆうこ
14
自分でも知らない感情がどこかに眠っていてそれは理性では制御できなくてあるきっかけで突然湧いてくるらしく、始末の悪いことにその感情はどんどん成長するようなので大ごとが起きたらとりあえずじっとしていようと思う。気の小さい男が追い詰められていく様子が手に取るように描かれていて一気に読みました。2017/11/26
καйυγα
13
主人公の浅井が出張中、妻の急死を知らされる。しかし、死に場所は浅井が聞かなかった場所——。浅井本人が妻の死を調査、推理する物語。1歩ずつ解き明かされる内容は、丁寧に伏線を回収していき意外な結末を迎える。この時点で未だ半ページ残っており、なんだ短篇だったのかと思いきやまさかまさか。ここから最後まで切迫感がひしひし伝わる物語へと様変わり。こりゃ、もはや推理小説というより、推論や駆け引き、そして運が試させられるスリル小説だな。それでも楽しかったけどね。石橋を叩いて渡ったあとも油断しちゃいけないよねぇ2015/03/07
あつ子🐈⬛
12
積ん読消化。死んだ妻の不貞を疑う夫がやがて辿り着く地獄を描いた作品です。最初は少しばかり退屈で、もしや初のハズレか…?と思いながら読み進んでいったのですが、とんでもなかったです。やはり信頼の清張作品。面白かった!犯人がやることなすこと裏目に出るタイプで終盤はハラハラしっぱなし。やめとけやめとけと心の声がうるさくて(私の)気が気ではありませんでした。 ふう、やっぱり人間は、正直にまさる美徳なしなのであります。2024/02/09
jima
11
役所勤めの主人公が出張中に妻の死。妻が死んだ場所は妻から一度も聞いたことのなかった場所。被害者の立場の主人公がやがて加害者に。2022/11/07
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