感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビグ
13
松本清張さん初読み。昭和38年に刊行された文庫本。 文体が昭和過ぎてなんだか読みにくかった。 松本清張が得意とするであろう復讐劇なのだが、えっ?と驚くというより、強引なこじつけでややシラケてしまった所もあり、自分の中では期待ハズレ。けど、有名どころもたくさん書いてる有名作家さんなので懲りずに他も読んでいきたい。2018/11/07
浅香山三郎
11
余りに怖い復讐劇。登場人物の殆ど誰もがハッピーエンドを迎へない結末で、主人公の復讐の手の込みやうに「ここまでやるか!」と思つてしまふ。推理小説の、謎解きの爽快感がある作品ではなく、人間の業や悪をテーマに描くスリラー作品群のひとつで、『わるいやつら』や『けものみち』のやうな作品の仲間であるともいへさうだ。兄の弁護を断はられた主人公の過剰な逆恨みといふ展開の怖さはあるが、本来弱者の味方であるべき弁護士界の歪みや矛盾を焦点化してゐる。その意味で清張作品を貫く基本線はブレてゐない。2022/06/05
よっちゃん
2
社会を鋭く切り裂く作品。最後まで強烈な復讐。解説では筋違いと書いてあるがそうとばかりは言えないと思う。2016/11/03